TOP2016年01月御嶽山情報、全国の家族に 県内遺族「情報収集班」
今後の活動について話し合う県内の遺族ら=11日、南箕輪村

 2014年9月に起きた御嶽山の噴火災害の被災者家族らによる「山びこの会」は11日、火山防災に関連する情報を集め、各地に散らばる家族に伝える「情報収集班」を設けた。昨年9月に噴火から1年が過ぎ、全国的に報道や火山防災の催しなどが減っていると、孤立感を深めている家族は少なくない。比較的情報の多い県内の遺族が集めて伝え、火山防災の動向を把握してもらいつつ、家族の心の支えにもつなげたい考えだ。

 犠牲者、行方不明者63人の居住地は16都府県に及ぶ。噴火で義弟の伊藤保男さん=東御市、当時(54)=を失った山びこの会事務局代表のシャーロック英子さん(57)=東京都目黒区=によると、県外では特に昨年9月以降、御嶽山に関する報道が減少。「世間では風化が始まっている」と感じる家族らもいるという。

 11日は、長男啓光(ひろみつ)さん=当時(37)=が犠牲になった上伊那郡南箕輪村の高木能成(よしなり)さん(67)、妻佳子さん(65)宅に、県内の遺族4人とシャーロックさんが集まり、情報収集班をつくった。高木さん夫婦ら県内の遺族6人がメンバー。県内の新聞やテレビによる報道を把握し、切り抜きや録画などをして情報を集めるほか、県内で開かれる火山防災のシンポジウムや学習会に参加し、内容を山びこの会の会報を通じて伝える。また、国や県、御嶽山麓の木曽郡木曽町や王滝村が火山防災態勢の拡充を図っているため、そうした情報について課題を含めて連絡する計画だ。

 高木佳子さんは、噴火から2度目の正月が過ぎて「息子がいなくなったことが現実化し、寂しさはむしろ深まる」と話し、情報の減った県外では「家族の寂しさはなおさらだと思う」と気遣う。各地の家族らと連絡を取り合うシャーロックさんは、家族には年配者もいるため「インターネットなどで情報収集できる人ばかりではないことが分かってきた」とし、情報収集班の役割の大きさを指摘する。

 山びこの会は昨年12月、行方不明者の捜索の可能性を独自に探るための専門部会「再捜索チーム」(仮称)も新設するなど、活動の役割分担を進めている。

2016年1月12日掲載