TOP2016年02月噴火、温泉ガス関係か 岐阜で民間研究所、増加を観測

 2014年9月27日の御嶽山(長野・岐阜県境)噴火を挟む同8〜11月に、北北西に約50キロ離れた岐阜県飛騨市の割石(わりいし)温泉で温泉水に含まれるガスの量が増えたことが16日までに、民間の東濃地震科学研究所(岐阜県瑞浪市)の分析で分かった。同研究所の木股文昭副首席主任研究員は、火山活動の変化の把握につながる可能性があるとみて、17日に都内で開く火山噴火予知連絡会で報告する。

 同研究所は、割石温泉で毎秒20回ずつ湧出量を測定。湧出量は温泉水に含まれるガスの泡で変動するため、ガスの量の増減も把握できるという。

 木股研究員や田阪茂樹客員研究員らが、約2時間ごとの湧出量の変動回数を数えた結果、14年8月までは平均10回未満だったが、9月20日ごろには50回近くに増加。同27日の噴火直後に30回前後に減り、11月下旬に10回未満に戻った。木股研究員は、御嶽山噴火までガスが増加を続けたと推定している。

 温泉水に含まれるガスはヘリウムや二酸化炭素(CO2)などで、マグマからも揮発する。地中の割れ目に沿って、マグマに熱せられたガスや熱水が上昇し、一部が御嶽山の噴火を引き起こす要因になり、一部は温泉に溶け込んだ可能性があるとみている。

 御嶽山の北西約4キロにある濁河(にごりご)温泉(岐阜県下呂市)では、今回の噴火までの約10年間、温泉に含まれるヘリウムが増加したことが東京大大気海洋研究所などの調査で既に判明。木股研究員は、温泉水に含まれるガスの量の変化について、「火山活動の活発化を示す指標と捉えていいのではないか」と話す。

 割石温泉の東南東約30キロには活火山の焼岳(長野・岐阜県境)もあるため、温泉を長期的に観測することが重要だとしている。

 元岐阜大教授の田阪研究員らは1977年から、割石温泉で地震発生と温泉湧出量の関連を観測。近年の湧出量は毎分30リットル前後で、東日本大震災(11年)の直後には同60リットル前後に増えたという。14年11月の県北部の地震でも湧出量は増えたが、ガスによる目立った数値の変動はなかった。観測は昨年10月に同研究所が引き継いだ。

2016年2月17日掲載