TOP2016年02月「弟どこに」消えぬ思い 御嶽山噴火 札幌の姉、再捜索願う
裕輝さんの足取りを探る倉本さん(左)の話を聞く山本さん=27日夜、木曽郡木曽町

 2014年9月の御嶽山噴火災害で弟が行方不明になった札幌市の山本磨珠さん(46)が、犠牲者の月命日に当たる27日、山麓の木曽郡木曽町で山岳関係者と弟の再捜索の可能性を話し合った。山岳関係者は、山頂付近の入山規制緩和後、被災者家族に協力して行方不明者5人の捜索を模索している。山本さんは15年夏に大規模捜索が終わった時、弟の発見はあきらめようと心に決めていた。だが、民間による再捜索の動きを知り、「捜してくれる人がいるのなら付いていきたい」と同町を訪れた。

 山本さんの弟、高橋裕輝さん=当時(40)=は、会社の同僚らと山頂の剣ケ峰で休憩中に被災。県警などによる15年夏の再捜索で、山頂近くの斜面から高橋さんの一眼レフカメラなどが見つかったが、高橋さん自身は発見されなかった。

 山本さんは大規模捜索でも見つからなかったため、気持ちを切り替えようと決心。ただ、「山頂まで行けるなら、自分の目で弟がいなくなったこと確かめたい」との思いが拭えなかった。体調を崩している両親が、捜索終結に納得していないことも気掛かりだったという。

 民間による再捜索の動きは、高橋さんと一緒に登った同僚で、生還した男性(49)から伝えられた。御嶽信仰の信者らの荷物を運ぶ強力(ごうりき)の倉本豊さん(59)=木曽町=が、再捜索に向けて噴火当時の情報を集めていることを知り、今後の活動について話を聞きたい、と木曽町を訪れた。

 倉本さんはこの日、山本さんに地図や写真を見せ、高橋さんが山頂から谷筋に入り込んだ可能性があると指摘。入山規制が緩和された後、「可能なら谷筋も確認したい」と説明した。

 山本さんは同行を望んだが、倉本さんは「一般の人が入るには危険。ご家族の登りたいという気持ちは分かりますが」と諭した。

 山本さんは「大規模な捜索でも、地元の山岳関係者でも、谷筋に入るのは難しいと分かった」と残念がった。ただ、山麓の人たちが再捜索を真剣に考えている様子に触れ、「裕輝に関する情報はできる限り提供し協力したい」と話していた。

2016年2月28日掲載