TOP2016年06月御嶽山山頂一帯でライチョウ生息調査 噴火の影響少なく

 県は20日、御嶽山の長野県側の山頂一帯で18~20日に行った国の特別天然記念物ニホンライチョウの生息調査の結果を明らかにした。つがいが作る縄張りの数は2008年の調査時点から2カ所減って15カ所だった。14年9月の噴火の影響が懸念されていたが、調査した中村浩志・信州大名誉教授は木曽郡木曽町内で記者会見し、噴火の影響は少なく、絶滅を心配する必要はないとの見解を示した。

 岐阜県との合同調査の一環。木曽郡王滝村と木曽町の許可を得て、5人ずつの2グループが両町村に入山した。王滝村側では9合目避難小屋、奥の院などの周辺で縄張り9カ所を、木曽町側では、三ノ池、四ノ池、継子(ままこ)岳周辺で6カ所を確認した。

 08年調査より2カ所減ったが、中村名誉教授は「年によって縄張りの数は変化する。大きな変化は見られない」と評価。一方、両町村の一部では、ライチョウが巣を作るハイマツや、餌となるガンコウランなどが火山灰の影響で枯れている状態が確認されたとし、「植生が回復し、縄張りができるまでに時間がかかる」と述べた。

 岐阜県側も含めた御嶽山一帯の縄張り数は、1981(昭和56)年が50カ所、95年が35カ所、08年が30カ所。岐阜県は「(今年の)縄張り数は精査していないが、長野県と同じ傾向で、大きな変化はなさそう」(自然環境保全課)とする。

 中村名誉教授は「独立峰の御嶽山で生まれたライチョウはここでしかすめない。噴火で絶滅しないか心配だったので良かった」とした。7~10月には月1回ずつ、ひなの育ち具合を調べるという。

2016年6月21日掲載