TOP2016年09月「火山の危険伝える場に」79% 設置検討のビジターセンター

 信濃毎日新聞は26日、2014年9月の御嶽山噴火災害から2年を前に、犠牲者の遺族、行方不明者の家族、噴火時に山にいた登山者らを対象にしたアンケートをまとめた。噴火災害が風化し始めていると思うかは、77%が「思う」とし、1年前に比べて6ポイント上昇。設置が検討されているビジターセンターでほしい機能は、79%が「火山の危険性や対処法の伝達」を挙げ、事前の注意喚起が不十分だった教訓が生かされるよう望んでいる。

 本紙が遺族や登山者らを対象にアンケートをするのは、噴火半年、1年に続き3回目。今回は8月下旬から調査用紙を郵送し、長野を含む16都道県の81人が回答した。遺族・行方不明者の家族(遺族ら)は52人、登山者や山小屋スタッフ(登山者ら)は40人。登山中に家族が犠牲になったなど両方の立場が11人。

 知識などを伝えるビジターセンターは、県がその在り方を議論しており、木曽郡木曽町、王滝村もそれぞれ内容を検討している。アンケートでセンターで力を入れてほしい役割(回答二つまで)を聞いたところ、「火山の危険性や対処法の伝達」に続き、「被災の歴史の伝承」(47%)、「火山の調査・研究拠点」(37%)となった。

 「火山の危険性や対処法の伝達」は、登山者らが84%で、遺族らを6ポイント上回った。逆に「被災の歴史の伝承」は、遺族らが53%で、登山者らを11ポイント上回った。立場により求める内容に違いがある。

 今後の火山防災で強化してほしいこと(三つまで)も、「異変を知らせる情報伝達態勢」が最多の79%でこの1年で14ポイント高くなり、的確な情報を伝えることを重視する傾向がうかがえる。

 噴火災害は風化し始めていると「思う」は、遺族らに限ると86%で15ポイント高まった。風化を実感する時の自由記述で、当日登っていた東筑摩郡筑北村の田村茂樹さんは「(ヘルメットなどの)対策もなしに登っている人を見た時」とした。「そんなこともありましたねと言われた時」(県外の女性遺族)との回答もあり、各地に散らばる遺族が孤立感を深めている様子も浮かんだ。(結果は小数点1位を四捨五入)

2016年9月27日掲載