TOP2016年09月山麓に満ちる鎮魂の思い 住民らの手で慰霊行事
ろうそくの明かりで「9・27」が浮かび上がった追悼行事=27日午後6時19分、木曽町三岳の太陽の丘公園
法要後、千羽鶴をおたき上げして供養する参加者=27日午後7時39分、木曽町の大通寺
松原スポーツ公園に設けられた祭壇で御嶽山に向かって手を合わせる遺族ら=27日午前9時55分、王滝村

 御嶽山噴火災害から2年。山麓では27日、三岳小体育館(木曽郡木曽町)での犠牲者追悼式のほかにも、住民らの手で慰霊行事が営まれた。竹灯籠をともしたり、追悼のために折られた千羽鶴を焼いたりし、犠牲者の魂を慰めた。

 木曽郡王滝村の松原スポーツ公園では午前9時半、木曽地方の五つの寺が三回忌法要を営んだ。同村の鳳泉(ほうせん)寺御詠歌会の女性たちが、鈴やかねの音に合わせて御詠歌を歌い、5人の住職が読経。参列した約30人が、雲に隠れた山頂に向かって手を合わせた。

 愛知県一宮市の会社員所清和さん(54)は、亡くなった次男祐樹さん=当時(26)=と、その婚約者の丹羽由紀さん=当時(24)=を思い、三回忌に咲くようにと同公園にヒマワリの種をまいていた。この日、所さんは咲いた花を見つめ、「献花以上の供養になった。輝いて見えます」と語った。

 午後6時、同郡木曽町三岳の太陽の丘公園では、主に住民を対象とした慰霊式典が営まれた。献花台の脇には犠牲者58人と5人の行方不明者に合わせ、63本のろうそくを用意。約140本の竹灯籠にも火をともし、約50人が御嶽山に向かって静かに黙とうをささげた。

 式典は、三岳地域自治協議会内のみたけ未来創造塾と総務福祉部会が企画し、2年目。創造塾の代表を務める浦沢真由美さん(55)は「災害を忘れてはいけない。その上で、火山とどう生きていくかを模索していきたい」と話していた。

 木曽町福島の大通(だいつう)寺では午後7時すぎ、近くの玩具店経営林理子(あやこ)さん(46)ら有志16人が集まり、本堂での法要の後、犠牲者の冥福を祈って作った千羽鶴を燃やすおたき上げを境内で行った。

 林さんらは2014年10月から、毎月27日に近い週末に集まっては折り鶴を作ってきた。次第に活動が知られるようになり、県内外から林さん宅に折り鶴が送られてくるように。太陽の丘公園にささげられた折り鶴と、木曽町役場に寄せられた折り鶴も合わせておたき上げした。「共感してくれる人がいて、活動を続けてこられた」と林さん。法要に先立ち、「これからも毎月続けるので鶴を折りに来てください」と参加した人たちに呼び掛けた。

2016年9月28日掲載