TOP2016年09月遺留品、今も160点 木曽署「持ち主の元に」願い保管
御嶽山で回収され、木曽署の保管庫でガラスケースに入れられている登山者の遺留品=28日

 2014年9月27日の御嶽山噴火災害後、山頂周辺で見つかったリュックやストックなどの登山者の遺留品160点が、2年が過ぎた今も持ち主が現れず、木曽署(木曽郡木曽町)に保管されている。県警は通常、同様の遺留品は5カ月で処分するが、未曽有の噴火災害の遺留品だけに特例で保管を延長。昨年8月に同署に保管庫を設け、遺族や生還者に公開し、持ち主の元に戻ることを願っている。

 県警会計課によると、噴火直後の行方不明者捜索と、15年の再捜索で見つかった遺留品は計799点。このうち630点は遺族や持ち主に返却され、食品9点は廃棄された。残る160点は、衣類、リュック、ポーチ、デジタルカメラなどで、県警はホームページで遺留品のリストを公開。一部は写真も掲載し、持ち主を探している。

 噴火2年の節目に木曽町内で犠牲者追悼式が開かれた27日には噴火災害の生還者が自分のサングラスを探しに同署を訪れたという。

 木曽署の伊藤聡志署長は、行方不明者の再捜索前に調査隊の一員として山頂に登り、再捜索時には広報隊を指揮した。今春、同署に新たに着任した署員らには、映像などを見せながら噴火時や捜索時の様子を説明し、噴火災害の記憶を継承しており、保管庫は「署員に噴火の教訓を伝える施設にもなっている」とする。また、「保管庫があることで、署員が遺族に丁寧な対応をしていこうという気持ちになる」としている。

2016年9月29日掲載