TOP2016年12月噴火避難計画「手引き」公表 登山者も対象・突発的噴火想定

 内閣府は9日、2014年9月の御嶽山噴火災害を踏まえ全面改定した「噴火時等の具体的で実践的な避難計画策定の手引き」を公表した。避難誘導の対象に住民以外にも登山者や観光客を加え、噴火警戒レベルが事前に引き上げられない突発的な噴火も想定した。レベルが最も低い1(活火山であることに留意)の状態から必要な防災対応を積極的に取ることも自治体に促す。

 昨年12月施行の改正活動火山対策特別措置法(活火山法)は、火山地域の自治体に避難計画の策定を義務付けた。内閣府は、12年に作成した手引に登山者の想定がないなど、内容が不十分とみて、今年4月から有識者委員会による改定作業を進めていた。新たな手引の活用で策定を加速させる。

 手引は、自治体や関係機関が取り組むべき防災対応を警戒レベルごとに整理した。レベル1でも、火山活動に異常が現れ気象庁が臨時の解説情報を発表した時などは、情報共有や登山者への周知、立ち入り規制の検討を求めた。

 御嶽山では、火山性地震が増加していたが同庁はレベルを1(平常=当時)に据え置き、自治体が防災対応を取らないまま噴火。大勢の登山者が犠牲になった。

 突発的噴火が起きた場合は、火口付近に居合わせた登山者らが噴石から身を守るため山小屋など近くの施設に逃げ込む「緊急退避」と、その後で市町村の誘導に従いながら下山する避難の2段階での対応を想定することとした。

 レベルが2(火口周辺規制)か3(入山規制)の状態から、居住地域に影響を及ぼすほどの噴火が突発的に起きた場合の住民などの緊急退避についても、計画に盛り込むよう求めた。

 今年4月30日時点の内閣府のまとめによると、避難計画を策定済みなのは、気象庁の常時観測50火山のうち住民がいない硫黄島を除く49火山を抱える延べ155市町村の中で22市町村。

 松本純防災担当相は9日、閣議後の記者会見で手引を発表した。「今後も計画策定の支援に力を入れる」と説明。レベル1の状態からの自治体の防災対応について「レベル引き上げには至らない火山活動の変化の迅速な情報伝達など、対応を進めるためにも手引を活用してほしい」と述べた。

2016年12月 9日掲載