TOP2016年12月「災害の教訓伝える施設を」 意見交換会で被災者家族
県火山防災のあり方検討会の中間報告書案を巡り、御嶽山噴火災害の遺族と県が開いた意見交換会=14日、松本市

 御嶽山など県内4火山の啓発の方向性などを示す「県火山防災のあり方検討会」の中間報告書案を巡り、県は14日、2014年の御嶽山噴火災害の被災者家族らでつくる「山びこの会」との意見交換会を松本市内で開いた。災害後、県と遺族が直接意見を交わすのは初めて。遺族側は遺品などを展示し、災害の教訓を継承する「火山防災ミュージアム(仮称)」の新設を要望した。県側は1月下旬にまとめる最終報告案に「意見をできる限り反映させたい」とした。

 県から検討会座長の野池明登・危機管理部長と竹内善彦・危機管理防災課長、山びこの会から遺族7人が出席。県側は、火山の知識の普及を図るビジターセンターの設置や啓発を担う人材の育成を提言した中間報告書案について説明した。

 ビジターセンターは木曽郡木曽町が、御岳ロープウェイ山麓駅の建物を活用して設置することを検討している。夫を亡くした伊藤ひろ美さん(55)=東御市=は、91年に火砕流で43人が犠牲となり、その後記念館が建てられた雲仙・普賢岳の災害を例に挙げ、「63人もの犠牲が出た御嶽山の噴火災害にふさわしい記念館を望む」と話した。

 山びこの会事務局代表のシャーロック英子さん(57)=東京都=は、登山口での情報発信だけでなく「住民や観光客が噴火の歴史を見て学ぶ施設の建設が必要」と強調。同郡王滝村が木曽町とは別にビジターセンターの設置を検討していることも念頭に、「村や町も取り組んでいるが、災害の(教訓の)継承は県の事業としてきちんとやってほしい」と求めた。

 意見交換会後の取材に野池部長は、災害の教訓を継承する何らかの施設や展示の具体化については、最終報告案をまとめて以降に検討するとの見通しを示した。

 中間報告案は御嶽山、乗鞍岳、焼岳、浅間山を対象にしている。

2016年12月15日掲載