TOP2017年01月新制度「御嶽山マイスター」 県が支援検討

 2014年9月の御嶽山噴火災害を巡り、御嶽山麓で火山の知識や噴火災害を伝える「御嶽山マイスター(仮称)」制度の創設に向け、長野県が財政支援を検討していることが12日、分かった。県の火山防災のあり方検討会は同日まとめた最終報告書案に、マイスター制度の創設を盛り込んでいた。

 県は山麓の木曽郡木曽町、王滝村に、人材育成にかかる費用などの支援を検討。県は今後、両町村と連携してマイスター制度の具体的な設計に取り掛かる方針だ。

 御嶽山など県内4火山の啓発の方向性などを示す同検討会は同日、最終回となる4回目の会合を県庁で開き、マイスター制度のほか、ビジターセンターなどに関する最終報告書案をまとめた。

 報告書案では、御嶽山噴火災害の遺族側から災害の歴史を伝える施設の設置を求める声があったことを受け「ビジターセンターとは別途設けること」の検討にも触れた。昨年12月に開いた被災者家族らでつくる「山びこの会」との意見交換会での発言を受けた。

 御嶽山マイスターは自然や登山の専門知識に加え、火山防災の知識を持ち、継続的に活動していくと定義。登山者や観光客だけでなく、地域住民にも普及、啓発する役割を担うことが求められるとし、地域で主体的に活動する「情熱(使命感)」を持った人材の発掘が重要と指摘した。人材には登山ガイドや山小屋関係者のほか、学校の教職員や噴火の被災者らを挙げた。

 ビジターセンターは、火山防災の情報発信には有効と指摘。観光や環境保全といった機能に加え、情報発信機能を持たせるべきだとした。情報発信の対象者を「登山者」と「観光客」に分け、発信すべき情報も示した。これからの火山防災の在り方として、御嶽山が「火山と共生した観光地域づくり」の先進的事例になることを求めた。

 県はこの日の意見を踏まえて最終報告書案を修正し、2月にも最終報告書としてまとめる方針だ。

2017年1月13日掲載