TOP2017年01月国と県に賠償を請求 5遺族が提訴へ
複数の場所で噴煙を上げる御嶽山=2014年9月27日

 犠牲者58人、行方不明者5人を出した2014年9月の御嶽山噴火災害で、家族を亡くした県内外の5遺族が、噴火前に噴火警戒レベルを1(平常=当時)から2(火口周辺規制)に引き上げず、山頂付近の地震計の故障を放置し適切な観測を行う義務を怠ったとして、国家賠償法に基づき国と県に総額1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を地裁松本支部に起こすことが16日、分かった。25日に提訴する。

 噴火警戒レベルは、立ち入り規制や避難などの防災行動に結び付くよう危険度に応じて5段階で示される。

 訴えによると、気象庁などは噴火した14年9月27日の17日前の同10日に52回、翌11日に85回の火山性地震を観測。同庁はレベルを1から2に引き上げる基準の一つとして火山性地震の回数を「1日50回以上」としていたにもかかわらず、山頂一帯が立ち入り規制されるレベル2への引き上げを怠り、一帯の登山者が犠牲になったと指摘。遅くとも同12日早朝に引き上げ発表の義務があったと主張している。

 一方、県木曽建設事務所(木曽郡木曽町)は07年に気象庁と協定を結び、御嶽山の火山活動の一部を適切に観測する義務を負ったが、山頂付近と滝越(同郡王滝村滝越)の2地点に設けた地震計の故障を知りながら放置し怠った―と指摘。地震計が機能し、精度の高い観測ができていれば、レベル2に引き上げることができたとしている。

 原告の遺族の1人は「国や県が責任を受け止めて、噴火災害が二度と起こらないようにしてもらうために訴訟に踏み切ることを決めた」と話している。

2017年1月17日掲載