TOP2017年01月遺族が地裁松本支部に提訴 警戒レベル責任問う
提訴に向かう御嶽山噴火災害の遺族ら=25日午後1時7分、松本市の地裁松本支部前

 犠牲者58人、行方不明者5人を出した2014年9月の御嶽山噴火災害で、県内外の5遺族11人が25日午後、事前に噴火警戒レベルを1(平常=当時)から2(火口周辺規制)に引き上げず、山頂付近の地震計の故障を放置し適切な観測を行う義務を怠ったとして、国家賠償法に基づき国と県に総額1億4千万円の損害賠償を求めて地裁松本支部に提訴した。

 提訴後、原告と弁護団が松本市内で記者会見。噴火警戒レベルは、立ち入り規制や避難などの防災行動に結び付くよう、気象庁が危険度に応じて5段階で示す。弁護団によると、現在の噴火警戒レベルを中心とする火山防災の仕組みの下で、同庁が噴火予知の責任をどこまで負うのかが問われる初めてのケースになる。

 訴えによると、気象庁などは噴火した14年9月27日の17日前の同10日に52回、翌11日に85回の火山性地震を観測。同庁はレベルを1から2に引き上げる基準の一つを、火山性地震の回数が「1日50回以上」としていたにもかかわらず、山頂一帯が立ち入り規制されるレベル2への引き上げを怠り、一帯の登山者が犠牲になったと指摘。遅くとも同12日早朝に引き上げる義務があったと主張している。

 県木曽建設事務所(木曽郡木曽町)は07年に気象庁と協定を結び、御嶽山の火山活動の一部を適切に観測する義務を負ったが、山頂付近と滝越(同郡王滝村滝越)の2地点に設けた地震計の故障を知りながら放置し観測を怠った―と指摘。地震計が機能し、精度の高い観測ができていれば、レベル2に引き上げることができたとしている。

 弁護団によると原告の人数は予定から1人減って11人になり、損害賠償請求額も1千万円減額した。

2017年1月25日掲載