TOP2017年05月御嶽山噴火の生還者 被災者家族の会に初参加
噴火で被災した人が初めて参加した「山びこの会」の会合=13日、松本市Mウイング

 2014年9月27日の御嶽山噴火災害の被災者家族らによる「山びこの会」は13日、松本市内で会合を開いた。遺族や行方不明者の家族ら14人を前に、登山中に噴火に遭った県内外の4人が当日の体験を話した。会合への登山者の出席は初めて。犠牲者58人、行方不明者5人を出した災害を教訓に、火山防災の充実への願いを共有していくと誓い合った。

 冒頭を除き非公開。山びこの会事務局代表のシャーロック英子さん(57)=東京都=によると、4人は県内と愛知県の在住者。家族を失って悲しむ遺族らと、生還したものの自責の念にさいなまれてきた登山者は、立場の違いもあって交流する機会はあまりなかった。噴火2年半余がたって互いの心境が変化する中、登山者側から打診があり、同会が受け入れたという。

 山頂の剣ケ峰(3067メートル)と王滝頂上を結ぶ「八丁ダルミ」で噴石を浴び、大けがを負った松本市の会社員鈴木康夫さん(60)も出席した。一緒に登った仲間3人を失った無念さを抱えており、火山防災の啓発活動や山の恵みを説明する人材として県などが検討中の「御嶽山マイスター(仮称)」を目指していると自己紹介した。

 山びこの会は、大勢の犠牲者が出た山頂一帯の被災状況を検証する作業を進めている。剣ケ峰で被災した別の登山者は、噴煙にのみ込まれて無数の噴石が降り注ぎ、登山者が逃げ惑った当時の様子を証言したという。

 シャーロックさんは「具体的な話だった。遺族と同じように重いものを背負っているとも思った」とし、今後の交流を期待。夫を亡くした北安曇郡池田町の野口弘美さん(59)は「生還者の生の声を聞き、火山マイスターになるといった前向きな姿勢も感じることができて良かった」と話した。

 鈴木さんも会合後の取材に「火山防災を充実させたいという気持ちは、遺族や行方不明者家族と同じ。今後も関わっていきたい」と話した。

2017年5月14日掲載