TOP2017年09月「地下構造解明を」 木曽に赴任の名大・国友特任准教授
火山研究施設で御嶽山に関するデータについて説明する国友特任准教授=31日、木曽町

 2014年9月27日の御嶽山噴火を受け、名古屋大が木曽郡木曽町三岳支所内に設けた御嶽山火山研究施設に赴任した国友孝洋特任准教授(60)が31日、信濃毎日新聞の取材に応じた。噴火に関与したマグマの深さや広がりなどはあまり分かっていないと指摘し、「まずは精密に地下構造を解明したい」と強調した。

 国友准教授は6月初めに着任し、名大とを行き来しながら週4日同施設に詰めている。専門は地震学。1984(昭和59)年の県西部地震を受け、全国の大学が御嶽山で人工的に揺れを起こして地下の構造を確認する調査が行われた際、大学院生の立場で参加したことがあり、御嶽山の地下構造解明への思い入れは強い。

 御嶽山は集落と山頂との間に距離があるため、地元住民が最も警戒する必要があるのは、噴火や地震による「山体崩壊」と指摘。こうした環境を住民が認識し、防災に関する知恵を絞る必要性があるとする。

 本年度内に認定が始まる予定の火山防災の啓発などを担う「御嶽山火山マイスター」の育成支援も期待されている。町が計画する火山情報を発信する「ビジターセンター」を巡っては、山頂直下で地震が増えた時などに、登山者に情報が素早く伝わる仕組みを持たせるよう提言した。

 御嶽山は噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)となったが、登山道や避難施設の整備が不十分で、当面は火口から1キロ圏内の入山規制が続く。国友准教授は「この規制が解除された後、再び、噴火の兆候があった時の対応が課題になる」とした。

2017年9月 1日掲載