TOP2017年09月遺族9割「暮らしに影響」 噴火災害から3年

 信濃毎日新聞は26日、死者・行方不明者が63人に上った2014年9月27日の御嶽山噴火災害から3年になるのに合わせ、犠牲者の遺族や行方不明者の家族、噴火時に山にいた登山者、山麓地域の住民を対象に行ったアンケートの結果をまとめた。遺族や登山者らへのアンケートは噴火半年、1年、2年に続いて4回目で、住民には初めて実施。噴火が今の暮らしに与える影響(精神的・経済的)が「ある」または「ややある」と回答した遺族らは合わせて89%になり、15年、16年(ともに90%)とほとんど変化はなかった。住民も54%で、3年を経ても関係者に噴火災害の爪痕が大きく残っている実態が浮かんだ。

 今も暮らしへの影響があると答えた遺族らからは「愛する家族を突然失いぽっかりとあいた穴は埋められない」(女性)、「(妻を失い)1人では心から楽しむことができない」(岐阜県の男性)などの声があり、大切な家族を失った精神的なショックが今も消えていないことをうかがわせている。

 住民は、御嶽山の地元の木曽郡木曽町三岳と同郡王滝村を対象にした。「登山者が減り山小屋関係者、地元の旅館の経済的な減少は大きい」(木曽町三岳の梶原力さん)、「泊まり客が10分の3になった」(木曽町三岳の宿泊業女性)、「観光客が減ったために仕事も減った」(王滝村の女性)など、地元経済の柱である観光面での打撃が大きく、生活に影響が出ているとする声が目立った。

 一方、地元のイメージ回復や安全確保のため、今後の防災対策で強化してほしいこと(三つまで)では、「異変を知らせる情報伝達態勢」を遺族や登山者らの7割以上、住民の5割以上が要望。「観測・監視態勢」も遺族や登山者らの6割以上、住民の8割近くが望んだ。

 遺族らには、噴火の予兆とも受け取れる現象を関知していながら、噴火警戒レベルを引き上げなかった当時の気象庁の対応を疑問視する声がある。火山活動が変化した場合、結果的に噴火しなくても詳細な観測情報は必要か―との問いでは、遺族や登山者ら、住民のいずれも9割以上が「知らせてほしい」と求めた。

 兄を失った愛知県西尾市の女性は「火山活動が少しでも変化した時は、すぐに知らせて同じ災害が二度と起こらないようにしてほしい」と訴えている。(結果は小数点1位を四捨五入)

2017年9月27日掲載