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被災の栄村 包む豪雪  二重の不便 自然体で過ごす人々も
(2012年2月6日掲載)
 

仮設住宅で屋根の雪下ろしをする雪害対策救助員ら。役場近くの観測点の積雪量は3日時点で3メートル47センチとなり、この時期としては過去5年間の平均値(1メートル40センチ)の2・5倍近くに達した=横倉




村特産の「ねこつぐら」を作る高橋甚治さん。屋根まで覆われた雪で自宅の中は薄暗く、日中でも蛍光灯をつけている=青倉




地震被害の大きかった青倉地区。夜になっても雪が降り続き、家も1階部分がすっぽりと雪に包まれた=1月29日
 

<夕方の帰り道> 雪が降りしきる夕方、膝まで積もった雪に足元を気にしながら、買い物先から応急仮設住宅に帰るお年寄り。今冬の暮らしは例年以上の厳しさだ=横倉




<「茶飲みが仕事」> 近所で声を掛け合ってお茶を飲む仮設住宅の住民たち。4畳半の室内に明るい笑い声が響いた=横倉




JR森宮野原駅前では地震による被害で以前からあった生鮮食料品店が閉店、その後に独立行政法人の支援で新たな店舗が開店した。仕事帰りに立ち寄った女性は「大雪の中、津南町や飯山市まで行けないから助かる」




「薬は足りてるの」「風邪は治りましたか」。仮設住宅敷地内の集会所で月2回行われる健康相談会で、保健師が住民に声を掛けながら血圧を測定=横倉

 県北部を中心に豪雪となった今季、昨年3月の県北部地震で被災した下水内郡栄村では、住民が二重の不便を強いられている。例年、降雪の「本番」は2月。2006年の「平成18年豪雪」以来となる災害救助法の適用など、震災に追い打ちをかける状況に、住民の不安も募る。一方で、昔から雪と向き合ってきた地域だけに、「これも雪国の暮らし」と受け止め、自然体で過ごす高齢者も少なくない。

 45世帯97人が暮らす横倉地区の応急仮設住宅。雪害対策救助員が1月末から連日、屋根の雪下ろしや通路の除雪作業を続けている。「疲れも出てくるが、これからが頑張りどころ」と、救助員の一人、上野正和さん(35)。

 同住宅に住む山本チドリさん(71)は「結露対策の換気扇やエアコンの電気代、雪の重みで住宅がきしむ音が気になる」。一緒にくつろいでいた高橋キヨさん(61)は「雪の降る前は田畑や家の片付けがあったけど、降ったら茶飲みが仕事」と笑顔で話した。

 地震で半壊した青倉地区の自宅を修理して住んでいる高橋甚治(じんじ)さん(87)は、例年通り、冬仕事の「ねこつぐら」づくりに励む。雪囲いをした家は屋根まですっぽりと雪に覆われ「暗くて仕方がない」。村内の診療所に月1回通う以外、ほとんど外出しない冬の生活が続く。

[写真・文 有賀史]
 
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