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支えるロボット 活躍中  県内 介護や医療の現場
(2012年2月20日掲載)
 

<執刀医の腕 負担軽減> 医師の腕の動きに自動で追従。顕微鏡を使う緻密な手術を支える=松本市の信大病院




信大繊維学部(上田市)が開発したコミュニケーションロボット「Kamin」。音声の抑揚や強弱、表情などから利用者の感情を推測し、癒やしや慰めの表情を映し出す。現在は音声と映像の情報を別々に解析しているため、「両方の情報を融合して表情に反映させるようにしたい」(橋本稔教授)という



天板が上下して脚の不自由な人の立ち上がりを手伝う「座布団型昇降機」。10センチの高さから、いすや便座に乗り移りやすい45センチまで上がる=茅野市の諏訪東京理科大(長時間露光)
 

<スティック操作し食事> 給食で「マイスプーン」を使う宮沢穂波さん。スプーンとフォークで食べ物をつかんで口に運ぶ=千曲市の県稲荷山養護学校





歩行のリハビリを支援するロボット「HAL」。体を動かそうという脳からの信号を感知して作動する=上田市の丸子中央総合病院




ロボットアームの関節に使われているハーモニック・ドライブ・システムズ製の精密減速機(手前)。同様の部品は米航空宇宙局(NASA)が火星に送り込んだ無人探査車(奥の模型)にも組み込まれている=安曇野市の穂高工場

 組み立て作業など工場での利用が中心だったロボット。近年は工業用だけでなく、介護や医療などの分野にも活躍の幅が広がり、企業や大学でさまざまなタイプの研究・開発が進んでいる。

 県稲荷山養護学校(千曲市)が導入した食事支援ロボット「マイスプーン」。利用者がスティックを操作し、スプーンなどを取り付けたアームを動かして食事を取る。高等部3年の宮沢穂波さんは、学校備え付けとは別に個人用にも購入、校内で利用している。「人に介助してもらう時と違い、好きなものを好きな時に食べられてうれしそう」と母の幸子さん(47)。

 信大医学部脳神経外科(松本市)は長時間に及ぶ手術の負担軽減を目的に、執刀医の腕を支え、動くロボットを東京女子医大や早稲田大と共同で開発した。誤作動による事故を防ぐためモーターがなく、アームの動力源は、ばねと重りだ。2010年3月以降、13例の手術で使用。企業と提携して市場への投入を目指す。

 ロボットアームの精密減速機を製造するハーモニック・ドライブ・システムズ穂高工場(安曇野市)の清沢芳秀・開発本部長(55)は「工業用に培った技術を生かせる」と、市場の拡大に期待。諏訪東京理科大(茅野市)システム工学部の市川純章准教授(42)は「人とじかに接するため、工業用よりもさらに高い安全性が不可欠だ」と指摘している。

[写真・文 梅田拓朗]
 
写真グラフ 信毎フロント

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