写真グラフ
 

地下施設 ひっそり活躍  土地活用や景観配慮…県内各所で
(2012年3月5日掲載)
 

長野市の長野運動公園地下にある容積計2万8000立方メートルの調整池。昨年3月に増設した部分は縦長の空間が8列並ぶ構造になっている




長野運動公園のグラウンド(右)脇にある地下調整池への出入り口




世界約70カ所で感知する揺れを観測する気象庁精密地震観測室の職員。大きな揺れの場合は坑道内と松代町周辺計9カ所にある計器の値も参考に地震の規模を決める
 

サイベックコーポレーションが8月の完成を目指して建設中の地下工場。広さは約2500平方メートル。鉄骨をコンクリートで固める作業が進む=塩尻市広丘郷原



サイベックコーポレーション地下工場の屋上は地表とほぼ同じ高さになる



地下駅になっている長野電鉄長野駅の緊急避難路。緊急時にはホームの先端から非常用階段を上がり、地上の自由通路に出られるようになっている



松代大本営地下壕(ごう)跡にある気象庁の精密地震観測室の施設。薄暗く湿度が高い坑道を進んだ扉(奥)の先に計器が設置されている=長野市松代町

 土地の有効活用や景観への配慮、温度変化が小さい―といった利点がある地下建築物。県内でも各所で人目につかず利用されている。人や車が往来する地表とは趣を異にする世界を見た。

 長野市の長野運動公園東側にあるグラウンド下に、浅川の治水対策として市建設部河川課が建設した巨大な雨水調整池が広がる。容積は計2万8000立方メートル。市内10カ所にある地下式調整池の中で最も広い。大雨時に用水路で対応しきれない水を収容する。「大規模の貯水池を市街地に設けるには市所有地の地下を活用するのが最善」と同課。

 塩尻市広丘郷原の精密プレス加工会社「サイベックコーポレーション」は、敷地内に地下工場を建設中。同社が製作する自動車関連部品の金型は人の体温でも寸法に誤差が生じてしまうといい、工場内の気温は常に23度に保つ必要がある。このため、温度が安定する地下に工場を設置することにした。「空調費が削減できるため、二酸化炭素(CO2)排出量も減らせる」と平林巧造社長(32)。

 長野市松代町の気象庁精密地震観測室。松代大本営地下壕(ごう)跡を活用、最深部まで奥行き約300メートルの中間地点付近に揺れを測定する計器を設置している。計器は人が歩く際に発生するわずかな振動まで感知するため、地表の影響を受けにくい地下施設は「最適な環境」(橋本徹夫室長)という。

[写真・文 太田一彰]
 
写真グラフ 信毎フロント

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun