写真グラフ
 

砂嵐に挑む  松本平南西部で信大や千葉大
(2012年4月2日掲載)
 

<嵐に負けず観測> 大規模な砂嵐の中、風向や風速などの観測機器をチェックする信大の鈴木准教授=3月22日、塩尻市洗馬岩垂原




観測機器を設置する千葉大の松岡教授(中)ら=3月2日、塩尻市洗馬岩垂原






分析のため、深さの異なる場所から土を収集
 

<空を舞う> 今年初めて発生した大規模な砂嵐。長芋やレタス畑から舞い上がった砂ぼこりが上空まで達する=3月22日午後、東筑摩郡山形村の清水寺から




押し寄せる砂嵐で視界不良に。車も昼間からライトを点灯させ、速度を抑えて走る=3月22日、東筑摩郡山形村




土の飛散防止対策で、麦を作付けしたレタス畑=塩尻市洗馬岩垂原

 毎年、春先になると松本平南西部のレタス畑や長芋畑で発生する「砂嵐」。今年は3月22日、塩尻市や松本市、東筑摩郡朝日村、山形村にまたがる一帯で大規模に吹き荒れた。もうもうと砂嵐が押し寄せる中、塩尻市洗馬岩垂原のレタス畑の一角にはアンテナ群のような設備がずらり。砂嵐の発生メカニズムや気象条件などを調べる観測機器だ。

 調べているのは、信大農学部森林科学科の「農村環境学研究室」(星川和俊教授・鈴木純准教授)と、千葉大大学院園芸学研究科の「生物環境気象学研究室」(松岡延浩教授)。棒状の設備には風向・風速計が取り付けられ、気温、日射量、土壌水分などの観測機器もある。

 鈴木准教授は2007年からデータ収集を始め、今季は昨年12月から今年3月末まで観測。これまでの観測から、粘土質の土が春先の寒暖差で乾いて細かくなることや、一帯はなだらかな斜面が続く地形のため風の勢いが増しやすいことなどが判明。こうした条件が重なり、砂嵐が発生しやすくなっているという。

 県や関係市村、農協などは「松本南西部地域農地風食防止対策協議会」を設立。土の露出を避けるため冬期間に麦を作付けしたり、風食防止ネットを試したりしたが「いずれも決め手にはなっていない」(対策協事務局)のが実情だ。星川教授は「研究を進め、土が強風で舞い上がらないようにする技術を開発、提案したい」と話している。

[写真・文 吉沢正志]
 
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