写真グラフ
 

信州 広まる電気自動車  愛好家ら独自製造、各地に充電器設置…
(2012年4月30日掲載)
 

キノコ工場跡のガレージに保管している日本EVクラブが量産を目指す試作車1号。木製のボディーを車台に組み合わせる=諏訪郡原村




「1号車を作った3年前とはバッテリーの性能やEV車の安全基準、行政の注目度が変わってきている」と佐藤さん(右)。本田さん(左)の協力で研究を続けている=佐久市内山




上高地の五千尺ホテルが導入した業務用EV。バスターミナルと河童橋近くの同ホテル・ロッジ間を荷物の運搬などで往復している=松本市の上高地




松本市がEV普及策の一つとして2月、市役所駐車場に設置したEV用の太陽光発電設備。パネルと充電設備があり、10キロワットの発電が可能。来庁者が無料で充電できる=松本市丸の内
 

乗鞍高原で大型連休中に貸し出すEVレンタカー。ボンネットを開けて駐車していると観光客らがのぞき込み注目を集める。連休後は7月から貸し出しを再開する予定だ=松本市安曇の乗鞍観光センター前




長野市中心部を走る循環バス「ぐるりん号」のEV。早大の実証実験で、昨年11月に1号車、2月には2号車を導入した。1回20分の充電で65キロ走行でき、ディーゼルエンジンより二酸化炭素(CO2)を6割削減できる=JR長野駅前




奈良井宿近くの「道の駅木曽の大橋」に塩尻市が1台設置した急速充電器。当面は無料で、宿場を観光している間に1時間ほどで充電できる=塩尻市奈良井

 省エネ・温室効果ガスの排出抑制につながる電気自動車(EV=ElectricVehicle)や、外部から充電できるプラグインハイブリッド車の普及が県内でも進んでいる。自動車業界や自治体などが主導するが、発展の可能性が大きい分野でもあり、愛好家グループなど独自に製造や改良に取り組む動きも少なくない。

 東京に本部を置く市民団体「日本EVクラブ」は、諏訪郡原村にガレージを設け、教材用にも使えるEV組み立てキットの製品化に向け試作車を開発中。「EVは自然豊かな環境が似合います」と、代表で自動車評論家の舘内端(ただし)さん(65)。量産することで200万円前後の価格を目指しており、工業系の学校や自動車部品メーカーなどから購入の問い合わせもあるという。

 佐久市の会社役員佐藤定男さん(71)は、3年前に同市の会社役員らと「さわやか信州ちょい乗りEV研究会」を設立。新潟県で改造EVの指導を行う本田昇さん(65)からバッテリーなどのキットを購入し、軽自動車をEVに改造した。家庭用電源で12時間充電すると時速50キロで約40キロ走る。車検登録は必要だが、「愛車を自分たちで改造できるのが魅力」(佐藤さん)だ。

 EV普及に向けた社会環境も徐々に整備され、自治体や公共交通機関を中心に充電設備も含め導入の動きが拡大。山岳や森林の多い信州では、自然環境の保護と観光利用の両立を図れる交通手段として期待も高く、松本市の上高地や乗鞍高原、塩尻市の奈良井宿などで活用が進んでいる。
 
写真グラフ 信毎フロント

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun