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傷ついた野生鳥獣 元気に  県のボランティア 救護活動
(2012年5月14日掲載)
 

まだ目も開かない状態で、林さんからミルクをもらうムササビの赤ちゃん。巣があった木が伐採され、諏訪市の山林で4月に保護された=7日、岡谷市




小柳さん宅近くの動物病院で、治療を受けるオオタカ=4月16日、上田市




駒ケ根市在住の野生傷病鳥獣救護ボランティア、小口泰人さん宅に並ぶ自作のケージ。要請があれば、すぐに受け入れる態勢が整っている
 

4月に保護されたオオタカの回復ぶりを観察する小柳さん夫妻。左肩に木の枝でえぐられたような傷を負ったが、ケージ内で飛ぶ姿に「大丈夫そうだね。野生に返せるよ」=10日、上田市




左の翼が根元で折れ、切断手術を受けたノスリ。電線に衝突したとみられる。小柳守男さんがケージ外に連れ出し、くちばしと爪の伸びた部分を切った=4月13日、上田市




4年前に交通事故に遭い、松本市のアルプス公園に保護されたタヌキ。事故で目が見えなくなった

 10日から16日まで愛鳥週間。信州の豊かな自然の中を元気に飛び回る野鳥の姿に癒やされる人は多いが、けがや病気で保護される野鳥も少なくない。県が設けている「野生傷病鳥獣救護ボランティア」は、可能な限り野生復帰させることを目指し、鳥や動物を救護する活動をしている。

 現在、同ボランティアに登録しているのは19人。そのうちの1人で、上田市の小柳静代さん(72)は、夫の守男さん(74)の協力を得ながら16年前から活動を続けている。これまでに救護した鳥は約320羽。ただ、半数近くが間もなく死んでしまい、悲しい思いもした。鳥の場合、ガラスに衝突してけがをする事例が目立つという。

 餌代だけで年に10万円ほどかかるため、猛禽(もうきん)類に与える鶏の肉やレバーなどはなるべく安売りのときに調達。経済的な負担は大きいが、けがや病気が癒えて放鳥する際は、やりがいを実感する。「飛び立つ姿を見ると、すごくうれしい」と静代さん。

 これからの季節は例年、巣から落ちたひなや、巣立ち直後の幼鳥がよく持ち込まれる。「地面にいるひなや幼鳥は近くに親鳥がいることが多い。そのままにしておくか、近くの安全な場所に移すだけにしてほしい」と、同ボランティアの林正敏さん(68)=岡谷市。

 県野生鳥獣対策室のまとめによると、2010年度に県内で救護された野生鳥獣は457匹。同室は「傷病鳥獣を見つけた人は近くの県地方事務所林務課に連絡を」と呼び掛けている。

[写真・文 梅田拓朗]
 
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