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みすず細工継ぐ市民の輪  松本 有志の「復活プロジェクト」
(2012年12月24日掲載)
 

<職人技の魅力> 復活プロジェクト主催の「みすず細工講座」で松本市立博物館分館松本民芸館を訪れた参加者。作品を手に取り、職人の技に見入る=5日、松本市里山辺




耐久性や使いやすさを調べるため、そば店に無料提供したみすず細工のざる=11月28日、松本市中央2の「そばきりみよ田松本店」




作業所でみすず細工を作る三沢さん(左)。自らの腕を磨きつつ、多くの人に魅力を知ってもらおうと活動に取り組む=19日、松本市開智
 

<材料確保に課題> 土地所有者の好意で収穫したスズタケ。11月からの3カ月で1年分の材料を確保する=11月19日、伊那市手良中坪




竹細工の職人経験者を講師に、シルバー人材センターの会員向けに開いた出前講座=17日、松本市浅間温泉




材料になるスズタケの特性などを熱心に学ぶ「みすず細工講座」の受講生=11月7日、松本市の庄内地区公民館

 「みすず」とも呼ばれるスズタケを編んで作る松本地方伝統の「みすず細工」。専門の職人が亡くなり、存続の危機にあった竹細工の技を受け継ごうと昨春、市民有志でつくる「みすず細工復活プロジェクト」が始動した。「市井の職人」たちは自らの技を高めながら、賛同者を増やす取り組みを続けている。

 みすず細工は、スズタケの水分が少なくなる11月から1月に刈り取ったものだけを使う。この時期の作業は、竹ひご作りが中心だ。同プロジェクトの4人のメンバーが週に2、3日、同市開智に借りた作業所で腕を磨く。10月からは庄内地区公民館で講習会を開催。12月からはシルバー人材センターの会員向けに出前講座も始めた。

 「限られた人が技術を習得するのではなく、地域のたくさんの人たちと関わって大勢の人たちがみすず細工を編めるようになることが『復活』の目標です」。中心メンバーの一人で同市島内の三沢枝美子さんは語る。

 材料となるスズタケの入手も課題。かつては市内の里山辺や美ケ原に多く自生していたが、シカの食害や明治期の乱伐などで今は珍しくなってしまった。三沢さんも今年は知人の紹介を受けて伊那市内などで確保した。国の緊急雇用創出事業を活用した松本市の支援制度も昨年度で終了。賃料が安く、多くの仲間が集える新たな工房を探す日々が続く。

[写真・文 北沢博臣]
 
写真グラフ 信毎フロント

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