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松本城の石垣 次世代に  二の丸御殿跡で修復本格化
(2013年2月4日掲載)
 

石垣を圧迫していたケヤキの根付近を発掘する作業員。樹齢約100年の木を支えた根の大きさがよく分かる



石垣を解体した後の積み直しに備え、それぞれの場所を示す記号が記された石



フェンスの外から発掘調査の現場を興味深げに見る観光客たち。作業員も時折手を休め、問い掛けに答える
 

発掘調査の現地説明会には大勢の市民らが参加、関心の高さをうかがわせた






石垣の裏側などに詰められた「裏込石(うらごめいし)」も残さず保存。「何の変哲もないように見えますが、貴重な文化財です」と市の担当者



二の丸御殿跡と反対側の「埋門」で始まった石垣改修工事。松本城の周囲では当面の間、工事が続く

 国宝松本城(松本市)の二の丸御殿跡で石垣の修復事業が本格化している。御殿の敷地を仕切る塀の基礎とみられる石垣など新たに見つかった部分の調査が1月で終了。今月から、石垣を圧迫していたケヤキの切り株撤去や、石垣下段部分の解体に着手し、2014年度には修復を終えて形の整った石垣がお目見えする予定だ。

 修復現場は市役所に近い太鼓門と本丸の間にある内堀。樹齢約100年の2本の大きなケヤキの根が石垣を崩す恐れが出たため伐採。積み石の場所を一つ一つ記録しながらの作業が進む。

 ケヤキの切り株は工事用フェンスの網越しに見え、通り掛かった市民や観光客らの興味を引く。松本城管理事務所が1月、対象を小中学生と高校生以上の2回に分けて開いた現地説明会には計約150人が参加。石垣の裏側など普段は見られない部分の解説に熱心に耳を傾けた。松本城が大好きと話す同市開明小2年の宮嶋洸稀(こうき)君(8)も「石垣が工夫されていることを教えてもらい面白かった」。

 二の丸御殿跡と本丸を挟んで反対側にある埋門(うずみもん)でも、2年前に起きた震度5強の地震で被害を受けた石垣の改修工事がスタート。同事務所の土屋彰司所長(58)は「不便だったり景観に支障があったりしますが、良い姿の松本城を次世代に残すため必要な工事。みなさんの理解、協力をお願いします」と話している。

[写真・文 吉沢正志]
 
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