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原油高騰 知恵で乗り切れ  県内でも市民生活に打撃
(2013年2月25日掲載)
 

<周りを見渡せば> ドライクリーニング用の溶剤、ボイラーの蒸気を使うスチームアイロン、包装用のビニール(右上)など、原油高がコスト増につながっているクリーニング店=長野市七瀬中町




週末には灯油を買い求める人の列ができるホームセンターの売り場。タンクを幾つも抱えた人も目立つ=長野市檀田




深夜の閉店後、露天風呂に保温シートを浮かべて湯の沸かし直しに使うガスの量を抑える工夫も=長野市若里のスーパー銭湯
 

<暖房効率少しでも> 暖房効率を上げるため、二重の内張りカーテンや循環用のファンを使うビニールハウス。ボイラー(右下)の燃料代を抑える工夫だ=伊那市東春近の花き農家



茅野市内の低所得、高齢者世帯など計1900世帯余に配布された「福祉灯油助成券」



敷地内の地下に給油用のタンクを設けてある運送会社。安く仕入れた軽油をトラックに給油していく=長野市若穂綿内

 原油価格の高騰が、県内の農家や自営業者、市民生活を直撃している。資源エネルギー庁によると、県内ではガソリンが8週連続、灯油が12週連続の値上がり。経営への影響を抑えるさまざまな工夫が見られる一方、家計を圧迫される消費者の悩みは続く。

 伊那市東春近でアルストロメリアを栽培する酒井弘道さん(59)は、8棟のハウスの暖房に、重油を使うボイラーだけでなく電動のヒートポンプも使う。燃料費が約3割削減できるが、毎月約200万円かかるため、さらに暖房効率を上げようとファンを回すなどの工夫も。「今は花芽が出る時季。温度を下げるわけにいかない」

 長野市七瀬中町のクリーニング店は、ドライクリーニング用の石油系溶剤が3月から値上げされるため、普段の5倍の100リットルをまとめ買いした。大型洗濯機やスチームアイロンはボイラーを使うため灯油が必要で、包装用ビニールの値上がりも心配。専務の小池正樹さん(42)は「ボイラーを使う時間をまとめるなどしているが…」と話す。

 消費者も価格に敏感だ。長野市檀田のホームセンターで、18リットルタンク9個分の灯油を買った市内の会社員男性(53)は「風呂の燃料も灯油なので、一円でも安いと助かる」。自治体による支援の動きも出ており、茅野市は市内1900世帯余に、1万円分の灯油が買える助成券を配った。市内で一人暮らしの女性(87)は20日、6000円分を購入。「ことしは寒いので使用量も多い。年金生活者には本当にありがたい」と話した。

[写真・文 有賀史]
 
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