写真グラフ
 

こけむす森に連れてって  北八ケ岳で観察 じわり人気
(2013年7月15日掲載)
 

「今月の苔」 イワダレゴケ
ヘビが鎌首を持ち上げるように伸びるイワダレゴケ。苔の会が7月の「今月の苔」に指定していて、写真を撮って会員の山小屋で見せると、宿泊費や飲食費が割引になる=10日




林床が一面こけむして、独特の雰囲気を醸し出す森=7日




苔の会のイメージキャラクター「コケ丸」を焼き印で押した油揚げが載り、香ばしい風味を楽しめる青苔荘の「コケ丸そば」=3日
 

木の幹に生えたコケを眺め、幸せいっぱいの女性グループ=7日、小海町と佐久穂町境の白駒池周辺




18人が参加した苔の会の観察会で、ルーペを使いホソバミズゴケに見入る女性。7月下旬の観察会は定員に達したが、8、9月にもある=6月22日




コケの上で「ヒンカラララ…」と高らかにさえずるコマドリ。ルリビタキやミソサザイの鳴き声も聞かれた=11日

 コケの人気が全国的に高まっている。南佐久郡小海町と佐久穂町、茅野市の境に広がる北八ケ岳の原生林では、緑のビロードのような見事なコケを目当てに訪れる人が増えている。

 一帯の周辺の山小屋4軒(青苔(せいたい)荘、白駒荘、高見石小屋、麦草ヒュッテ)と南佐久北部森林組合などは2010年、コケの魅力を広く伝えようと「北八ケ岳苔(こけ)の会」を結成した。「近年人気が高まっているけれど、たまたまタイミングが合った」と、同会会長で青苔荘を経営する山浦清さん(59)。森は「コケがきれい」と以前から知られていたが、会ができて以降は観察や撮影する人が多くなった。

 山浦さんはコケの魅力について「単純な構造なのに、奥が深い」と語る。「コケの種類まで関心がある人はまだ少ない。深く知りたい人が増えれば、一過性のブームで終わらないのでは」と期待を込める。

 北八ケ岳一帯は日本蘚苔(せんたい)類学会が08年、「日本の貴重なコケの森」に認定した。推薦した前会長の樋口正信さん(58)=茨城県つくば市=は「種類が豊富で、景観が素晴らしい」。近年、同学会の会員も増えているという。

 旅行会社勤務の若山紗由美さん(28)=愛知県岡崎市=は昨年5月、茅野市観光協会に招かれ、仕事で初めて視察に来てコケに魅了された。「戻ってすぐに観察ツアーを企画したら、大勢集まり好評でした」。たびたび私的に訪れ、5回目となる今月7日は友人2人と一緒だった。「かわいいし、心が癒やされます」と写真を撮ったり手で触れたりして、満喫していた。

[写真・文 梅田拓朗]
 
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