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ワインづくり 夢追い人  信州で起業へ「アカデミー」受講
(2013年8月5日掲載)
 

ワイナリー設立についての講義で、現実的で厳しい指摘が続き、資料を見る受講者の表情が引き締まる=2日、須坂市のシルキーホール



ワイン以外の収入源確保の重要性など、厳しい現場の声に受講者が真剣に耳を傾ける=6月15日、東御市のヴィラデストワイナリー



信州ワインバレー構想推進協議会会長の玉村豊男さん(右)の話を聞く受講者たち=6月15日、東御市のヴィラデストワイナリー
 

高社山を望む高台の「たかやしろファーム」のブドウ畑を見学する受講者たち=3日、中野市




ワイナリーのブドウ畑で、余分な房を切り落とす実際の作業を体験=7月6日、塩尻市の林農園




受講者が今後について県の担当者に相談した個人面談=2日、須坂市シルキーホール

 県内でワイナリーを開業しようとする人たちが、ワインについての知識や技術を学ぶ「ワイン生産アカデミー」。県産ワインのブランド化と関連産業の発展を目指そうと、本年度から県が進める「信州ワインバレー構想」の一環で、起業意識の醸成も目的にした試みだ。

 本年度の受講者は県内を中心に、関東、東北、東海、九州などから、20〜60代の男女43人が集まった。ワイナリーで働きながら独立を目指している人、異業種からの参入を考えている人、ブドウ作りの経験が全くないサラリーマンなどさまざま。

 講座は県内各地で開き、農地に関する法制度や補助事業、酒類製造・販売免許、酒税法、栽培から病害虫防除、マーケティング、醸造技術、食品衛生法などの講義をしっかりと受けた。ワイナリーの見学や、畑で枝の手入れや摘房などの農作業も体験。「ワインづくりは甘くない」「夢は必要だが、夢だけでは暮らせない」といった、ワイナリーを立ち上げた「先輩」からの厳しい言葉に、受講者の表情は険しくなった。

 ワイン用のブドウを植えても収穫までは早くて3年。醸造して販売、収入を得るまでにはさらに時間がかかる。それまで経済的に持ちこたえるための「体力」や、危機管理など、現実的なアドバイスが続いた。6月開講コースの最終日となった今月3日、あえて修了式は行わず、新たなスタートの日と位置付けた。

 県内での独立開業を目指す栃木県足利市の矢野喜雄さん(43)。「資金面も含め、経営的な視点が必要だとよく分かった。広い視点を持ち、夢に向かってしっかり進みたい」と引き締まった表情で話した。

[写真・文 宮坂雅紀]
 
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