写真グラフ
 

自然と融合 現代アート  大町・小諸で野外美術展
(2013年9月2日掲載)
 
【小 諸】








取り壊された実家の畜舎の廃材を使い、駒ケ根市の下平千夏さんが制作した「β―余剰の力」=小諸市八満



飯野哲心さんの「精霊馬ムーバー」は100円を入れると動く=小諸市八満



【大 町】

石を並べた作品「海ノ口レイクヘンジ」で行ったタテタカコさんのライブと制作者杉原信幸さんの舞踏。木崎湖を背景に歌声が響いた=大町市平海ノ口



築約100年の蔵で壁面に細密画を描く画家の香川大介さん(栃木県)。蔵から得た直感で「蔵の十九体神像」を描き進める=大町市平稲尾
 

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←田中一平さんの作品「蜘蛛(くも)の糸」。夜間、照明を点灯し集まった昆虫を狙うクモに巣を作らせる装置。クモの巣がライトで繊細に輝き、自然の造形美を浮かび上がらせていた=小諸市八満



ソーラーパネルで日中発電し、夜間発光する李承禧(イ・スンヒ)さん(東京都)の作品=小諸市八満



コケを張り付け、森の木霊(こだま)たちを表現した柴辻健吾さん(千葉県)の作品=小諸市八満





地元住民が作品鑑賞に訪れた人たちとおしゃべりをしながらおやきを作った「おやきワークショップ」=大町市平海ノ口

 芸術家が滞在制作や野外展示をする美術展が大町市と小諸市で開かれている。幅広い年代が訪れ、爽やかな緑の中で、現代美術への間口を広げるきっかけにもなっている。

 8日まで大町市で開催中の「信濃の国 原始感覚美術祭」は、国内外から54人の作家が参加、絵画や立体造形などを木崎湖周辺を中心に約20カ所に展示。「日常の中で見過ごされがちな、この土地の持つ美しさを表現している作家が多い」と実行委員でアートディレクターの杉原信幸さん(33)=大町市。4回目の今年から同市教委が共催となり、ちらしを公民館に置くなどして市民活動を応援した。

 これまでワークショップ、湖畔でのライブや舞踏などイベントも企画。静岡県富士宮市から訪れた主婦の本田美穂さん(43)は「展示の建物もすてきで不思議な空間」と話した。美術祭の参加にはパスポート(1000円・中学生以下無料)の購入が必要。

 小諸市八満のカフェギャラリー「サロン・ド・ヴェール」では29日まで、立体作品や絵画を周辺の林の中や店内に設置した「小諸×夏×展(ひら)く 2013〜ハクリビヨリ♯05〜」を開いている。5回目の今年は展示作家12人中9人が野外に設置した。

 「野外で作品を鑑賞することが日常から離れた体験という意味で『剥離(ハクリ)』日和(ビヨリ)と名付けた」と実行委員代表の田中一平さん(28)=茨城県。彫刻家で初参加の飯野哲心さん(32)=東京都=は自身の作品の前でお盆の送り火をたくイベントを行い、「町おこしの要素もあり地方での美術祭は増えている。さまざまな人に見てもらえる機会はありがたい」。家族で訪れた佐久市長土呂の中学2年生山下翔大さん(14)は「ここにある自然をうまく使って芸術とコラボレーションしている」と近寄って見たり触れたりしていた。参加費は無料。

[写真・文 有賀史]
 
写真グラフ 信毎フロント

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