写真グラフ
 

秋の実り 鳥獣から守れ  県内農家 対策にあの手この手
(2013年9月16日掲載)
 

ハクビシンによる食害が痛々しいブドウ畑。枝から手を伸ばし房の下から食べてしまう=長野市松代町



ハクビシンに食べられたトウモロコシが転がる=小諸市



「人がいるように見える」とブドウ棚に洋服をぶら下げてカラスよけ=長野市松代町



串刺しのジャガイモで田んぼのスズメよけ=松川町
 

小諸市街地で捕獲されたハクビシン





「ヘビに見えるのかも」と、野菜畑でムクドリなど小鳥よけに効果を上げているビニールホース=諏訪市




竹ざおに本物のカラスをつるした「カラスよけ」=小諸市

 春の冷害を受けながら懸命に手間をかけ、ようやく実りの秋を迎えた県内の生産者が、鳥獣の被害に頭を悩ませている。生産者は「効果がある」とされる対策を、あの手この手で繰り出し、少しでも被害を抑えようと懸命になっている。

 「すぐ近くに犬がいても効き目がないなあ」。自宅畑のトウモロコシがハクビシンの被害に遭った小諸市甲の望月哲仁(あきひと)さん(64)は、あきらめ顔だ。県内のハクビシン捕獲数は2009年度は約1100頭、10、11年度が約1400頭、12年度は約1700頭と徐々に増加。民家の屋根裏や神社の社叢(しゃそう)(境内の森)などをすみかにするため苦情も多く、農業被害も各地で増加している。

 小諸市野生鳥獣専門員の竹下毅(つよし)さん(36)は「繁殖時期や寿命など、ハクビシンの詳しい生態が分かっていない」と漏らす。同市では捕獲したハクビシンを二酸化炭素で殺処分した後、以前はごみとして廃棄していたが、いまは体長や体重などを測定して解剖し、胃や腸の内容物、精巣や卵巣の成熟度などを詳しく調べている。ハクビシンの生態を把握して、有効な対策に結び付ける狙いだ。

 鳥類による農業被害はカラスが群を抜く。果樹園では従来から対策として有効とされてきた反射材や防鳥網の設置に加え、鳥が嫌がる音を流す機械を導入している農園もあるが、カラスが音に慣れてしまうと効果がなくなるため、設置場所を随時変えていくなどの工夫が欠かせない。

 「カラスにはカラスがいちばん効く」と駆除したカラスを果樹園につり下げている農家も「怖がってカラスが来なくなるのは最初だけで、時間がたつと別のカラスの群れが来てしまう」とため息まじりで話した。

[写真・文 宮坂雅紀]
 
写真グラフ 信毎フロント

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