写真グラフ
 

外国人、足で楽しむ馬籠峠
(2013年9月23日掲載)
 

<爽やかな木立> 馬籠宿を出発し、木立に囲まれた爽やかな旧中山道の峠道を歩くイスラエルからのカップル=14日、南木曽町




そば店でローマ字併記のメニューを見ながら思案するオーストラリア人一家=15日、中津川市の馬籠宿




無料の無線LAN環境を提供する民宿で、寝る前にタブレット端末を利用してメールやゲームを楽しむ=16日、南木曽町の妻籠宿
 

<国境を超えて> 夕食後に民宿のいろりを囲み、談笑してくつろぐ各国の宿泊客=16日、南木曽町の妻籠宿




峠を歩く途中で、地元住民とあいさつを交わすオーストラリア人一家=15日、中津川馬籠




ソフトクリーム片手の旅行者は「まるで時代劇の中にいるみたい!」=14日、中津川市の馬籠宿




手荷物を500円で運ぶサービスの内容を質問する外国人観光客に、英語で対応する観光案内所のスタッフ=14日、中津川市の馬籠宿

 円安が追い風となり、日本を訪れる海外旅行客が増加傾向だ。県観光部によると、県内でも東日本大震災後の落ち込みから回復傾向にあるという。今年になって外国からの観光客が増えている木曽郡南木曽町の妻籠宿と旧山口村(現岐阜県中津川市)の馬籠宿を結ぶ馬籠峠を歩いてみた。

 14日、木立に囲まれた峠道で出会ったイスラエル人男性のオーマー・シュウェルガーさんは「日本の中でも特に歴史を感じられる場所と聞いてきた」という。「宿場の古い建造物が素晴らしい」と話しながら、爽やかな峠道を下っていった。

 妻籠宿の民宿「まるや」は16日夜、米国、英国、オーストリア、シンガポール、オーストラリアから訪れた計12人で満室。夕食後には国境を越えていろりを囲み、談笑していた。おかみの藤原なつえさん(66)は、海外からの宿泊客の食事用に、あえてナイフやフォークを用意しない。不器用な手つきながらも箸で食べたがる外国人が多いためで、「日本の文化をよく勉強している外国人客が多いですよ」と藤原さん。それでも、宗教上の理由による食材の制限を事前に聞いておく心配りは欠かせないという。

 馬籠宿には、メニューにローマ字表記や英語での説明を掲載しているそば店もあり、外国人に快適に過ごしてもらおうと工夫する施設は多い。峠を歩く客の手荷物を500円で運ぶ両宿場の観光案内所のサービスも、外国人に人気だという。

 馬籠峠を越える観光客の統計を2009年度からとっている妻籠観光協会によると、今年4〜7月の4カ月間に峠を訪れた外国人観光客は3818人で過去最高。観光客全体の20・9%を占めた。

 外国人の団体客を引率していたガイドの女性は「外国人にはバスで観光地を巡るツアーより、実際に足で訪ね歩くツアーの方が人気が高い」と説明。「馬籠峠は各種のもてなしのサービスが海外のガイドブックに紹介されていることも人気の一因ではないか」と話していた。

[写真・文 米川貴啓]
 
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