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綿が紡ぐ人の縁  観光農園、防寒着作り…膨らむ夢
(2013年11月4日掲載)
 

収穫の秋を象徴するように、はじけた綿の実から白い繊維があふれ出す=10月28日、須坂市日滝




山本さん(中央)に栽培方法などをアドバイスする信大繊維学部の茅野さん(左)=2日、須坂市日滝




8月半ばから次々に咲き始める綿の花。時間とともにクリーム色からピンク色に変化していく=9月20日、須坂市日滝
 

初収穫した綿の実の形を整えながらコンテナに並べて行く山本さん=10月28日、須坂市日滝




自ら作った綿を広げて思いを語る箱山さん(左)と、繊維の感触を確かめる茅野さん(中央)と山本さん=10月22日、上田市の信大繊維学部




箱山さんが栽培した綿を使ったねこ作りを担当する「ながのあったかねこの会」の女性たち=10月24日、長野市松岡のリサイクルプラザ

 須坂市日滝の綿花畑が収穫の季節を迎えている。一つ一つの綿の実に袋をかけて育ててきた上高井郡高山村の山本友子さん(53)は、「こんなに育ってくれてありがとう」と、いとおしむようにコンテナに綿花を並べていた。山本さんは将来、畑を観光農園にすることを考えており、「北信濃で綿の持つ癒やしの力を伝えたい」と話している。

 5月末に苗を植えた山本さんの約千平方メートルの畑では、アップランド綿約800本が力強く育ち、既にはじけて白い綿毛に包まれた実と、はじけるのを待つ緑色の実が数え切れないほど付いている。

 須坂市のふとん店に飾られていた綿の木の美しさに魅せられていた山本さんは、31年間勤めた病院をこの春に退職し、日本綿業振興会(大阪市)に相談しながら手探りで栽培を始めたばかりだ。

 2日には、信州大繊維学部(上田市)技術専門職員の茅野誠司さん(55)が山本さんの畑を視察。茅野さんは「初めてなのに実の付きが多く、立派に育っていて驚いた」とし、「水はけが良い土壌で生育に好条件がそろったようだが、肥料過多は禁物です」とアドバイスした。来年の栽培に向けて、栽培品種の多様化や土作りの面でも協力していくと約束。山本さんも「がんばらなきゃ」と笑顔で答えた。

 同日は、山本さんに茅野さんを紹介した老舗ふとん店経営の箱山正一さん(39)=長野市西之門町=も山本さんの畑を訪問した。箱山さんも長野市信州新町と上高井郡小布施町の2カ所の畑で綿花を栽培しており、綿を生かした地域おこしを考えている。近く、自分の畑で収穫した綿を防寒着の「ねこ」にして販売する予定で、箱山さんは「生産量は少ないけれど、長野県産の綿に触れてほしい」と話している。

[写真・文 宮坂雅紀]
 
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