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耐震補強に…見える?  県内 色や形工夫し「武骨さ」を魅力に
(2013年12月2日掲載)
 

<近未来の庁舎?> 1971年竣工の県飯田合同庁舎本館棟。2012年から続いている耐震改修工事で設置された鉄骨ブレースが、精密機械のような幾何学模様を描く=飯田市




鉄筋コンクリートを格子状に組み合わせた「クロスウォール」工法で1階と2階の計4カ所を補強した阿智村役場。剛性を保ちながら窓を設けられ、採光もできる




青色の補強材がアクセントになっている松本工業高の校舎。4階建ての3階部分までに計11カ所設置されている=松本市




下諏訪向陽高北校舎の階段踊り場の補強材は、内壁のオレンジ色に合わせて塗装=下諏訪町

 

<木のすじかい> 木造園舎に合わせ木の「すじかい」を設置したほなみ保育園。積雪時で建築基準法の基準値の1・25倍の強度を持つよう補強した=山ノ内町




柱と天井を斜めにつなぐ「方杖(ほうづえ)補強」を計12本、窓にX字型の補強材を計4本増設した南条小の体育館。以前から塗られていた明るい黄色に合わせて一体化=坂城町




重厚な門のように補強材を設置した茅野高の昇降口。当初は2階と同じ逆V字型を設置する予定だった=茅野市

 公共施設を中心に進む既存建物への耐震補強。むき出しの鉄骨やコンクリートの補強材が窓や壁を覆うように設置されているものが目立つ中で、色や材質、形を工夫してソフトなイメージにしたり、多くの補強材が幾何学模様になったりして、目を引く建物もある。「武骨で目障り」だった補強材を、逆転の発想で建物の魅力アップにつなげた「陰の力持ち」の姿を集めた。

 青く塗られた補強材「鉄骨ブレース」が壁にはめ込まれている松本工業高(松本市)。塗装を提案した松本市の設計事務所代表の小林秀行さん(57)は、「(補強材は)外壁になじませようとしても不細工になってしまう。それなら、きれいな色にして補強箇所を分かりやすくした上で、デザインのアクセントにしようと考えた」と話す。

 鉄筋コンクリートを格子状に組み合わせた工法で補強した下伊那郡阿智村役場は、なまこ壁のような「和」の雰囲気が漂う。補強の「すじかい」を木製にしたほなみ保育園(下高井郡山ノ内町)の伝田由美子園長(58)は「木の風合いで鉄骨よりも温かみを感じる」と満足げだ。

 県は、旧耐震基準で設計されていたり、災害時の拠点になったりする県有施設の耐震化を目指し、2007年に整備プログラムを策定。6月末現在で対象となる417棟のうち259棟の改修を終えている。まだ工事中の県飯田合同庁舎(飯田市)を含め、15年度末にはすべての工事を完了する予定だ。

[写真・文 有賀史]
 
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