写真グラフ
 

「グル」ファン 諏訪湖に集う  15季連続飛来のオオワシ
(2014年1月13日掲載)
 


諏訪湖で捕獲した魚をつかみ、迫力ある大きな翼を羽ばたかせるオオワシの「グル」=4日



厳しい寒さの中、グルが飛び立つのをずっと待つ人たち=10日



氷上で魚を食べ始めると、おこぼれを狙うカラスが集まってきた。遊覧船が通ったが、乗客はグルに気付かない様子=6日



氷上の姿を双眼鏡で観察する親子=11日
 
<トビとの攻防>










魚を横取りしようとするトビに追われる(上)。一瞬、魚をつかまれ(中央)、奪われなかったものの、複数のトビからしつこく追い回される(下)=昨年12月29日

 毎年冬、諏訪湖に飛来する国天然記念物のオオワシ1羽がこの冬も姿を見せ、湖を望むあちこちに愛鳥家が集まっている。

 オオワシは19歳の雌で、愛称は「グル」。1999年1月、日本野鳥の会諏訪会長で、県野生傷病鳥獣救護ボランティアの林正敏さん(69)=岡谷市川岸東=らが湖上で衰弱しているところを保護し、放して以降、15季目の飛来だ。愛称は、保護した際に「グルッ」とうめき声を上げたのが由来といい、湖畔を訪れる人にはよく知られている。

 「飛んでいる姿を見ると、(99年に)約50日間、必死に面倒を見た思い出がよみがえってくる」と林さん。当時、冷たい湖に入って救助に携わり、現在も湖畔で撮影を続ける藤沢義昭さん(63)=上伊那郡辰野町=も「長い付き合いでペットみたいにかわいい」と話す。

 グルは両翼を広げると約2・2メートルあるが、なかなか人間に近づかないため超望遠レンズで見ても点のようにしか見えないことが多い。藤沢さんらは、湖畔に散った仲間と携帯電話で情報交換しながら撮影に臨む。「大きな魚を捕って食べる姿に野生のすごみを感じ、自然の厳しさを伝えてくれる」。グルが、つかんだ魚を横取りしようとするトビにしつこく追い回され、最後は振り切る場面もあった。

 林さんによると、オオワシはロシアの極東で繁殖し、越冬のため日本に渡るものの、ほとんどは北海道にとどまり、本州まで来るのはわずかという。グルの姿は3月上旬まで見られる見込みだ。

[写真・文 梅田拓朗]
 
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