写真グラフ
 

クラフトビールに憩う  野沢温泉中心街に醸造所 兼 バー
(2014年5月12日掲載)
 

<湯上がり客と弾む笑顔> 「おいしいビールのお店ができて野沢温泉に来る楽しみが増えたよ」と話す湯上がり客とカウンターで乾杯し、談笑するリヴシ−夫妻(左)




ビールに合う水を求め、村内を回って豊富な湧き水を飲み比べる夫妻




<小さな醸造所> 店の奥にある醸造所で麦芽など主原料と湯を混ぜ合わせるトーマスさん。「ワインや日本酒のたるで長期熟成させたユニークなビールも提供していきたい」と話す

 

<山菜をつまみに> 青空の下で山菜を採る夫妻。この日収穫したコゴミは熱湯が湧出する麻釜(おがま)でゆで、つまみとして提供した



2000円で4種類の飲み比べができる試飲セット。左から「スコッチエール」「里武士IPA」「サマースタウト」「トムのイングリッシュエール」




大湯(左)のすぐ脇に立つ絵美子さん手書きの看板。店は看板の後方にある


 素材や製法にこだわったクラフトビール(地ビール)の人気が高まる中、下高井郡野沢温泉村にIターンした英国人のトーマス・リヴシーさん(31)、絵美子さん(31)夫妻が今年1月、村中心部の大湯近くにビールの醸造所兼立ち飲みバーを開いた。店名は夫妻の姓から取った「里武士(りぶし)」。湯上がり客や外国人旅行客、地元の常連客らでにぎわっている。

 店で提供するビールは、カウンター奥にある20平方メートルほどの醸造所でトーマスさんが造る。トーマスさんは彫刻やオブジェを制作する芸術家だが、趣味で始めたビール造りが高じ、出身地ダービシャー州の醸造所で6年間積んだ経験を生かしている。村内の湧き水を飲み比べ、県産の玄ソバ(ソバの実)を使った「そばスタウト」や、外湯の名前にちなんだ「大湯ウィート」など、野沢温泉ならではのビール造りに取り組んでいる。「数年後には自家製ホップを使ったビールを出したい」と、畑を借りて栽培も始めた。

 この地を選んだのは、5年前にトーマスさんが初めて日本を旅した際に、野沢温泉の人たちの温かさに触れたことがきっかけ。2年前に移住し、知り合いも増えた。今ではビール造りだけでなく、店で提供するつまみ用に無農薬野菜を育てたり、山菜を採ったりして村の生活を楽しんでいる。「ビールを村のブランドとして定着させることで、大好きな野沢温泉の豊かな自然や人々の温かさを多くの人と分かち合いたい」と夫妻。カウンターに並んで立ち、笑顔で湯上がりの客とグラスを合わせた。

(写真はいずれも野沢温泉村)

[写真・文 中村桂吾]
 
写真グラフ 信毎フロント

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