写真グラフ
 

茅野に吹く縄文の風  「仮面の女神」国宝指定答申
(2014年6月30日掲載)
 

<盛況の土偶作り講座> 「首のラインも大事よね。女性だもの」。体験講座でレプリカと見比べながら実物大の「仮面の女神」の土偶を作る参加者たち=22日、茅野市豊平の尖石縄文考古館




縄文土器にちなんだ図案や商品事例をまとめたデザインブックを配ろうと打ち合わせを重ねる茅野商議所メンバーとデザイナー。手前は試作した縄目模様のバンダナやマグカップ=26日、茅野駅モンエイトビル




まちづくり組織「茅野TMO」が茅野駅前ビルで開催している写真展。「仮面の女神」を含む県内外の縄文遺産の白黒写真が並ぶ=21日



「仮面の女神」(左)と「縄文のビーナス」(右奥)が並ぶ尖石縄文考古館の特別展。前年同時期を大幅に超える人たちが訪れている=24日
 

<土器を探せ> 「これは土器ですか?」「何だろう」。学区内の遺跡で考古館学芸員(左)に判定してもらいながら土器片や黒曜石などを拾い集めた北山小学校の児童たち=21日、茅野市北山の上之段遺跡




<定期預金にも> 6月から諏訪信用金庫で始まった「縄文定期」。契約者には国宝土偶2体が印刷されたクリアホルダーかハンドタオルを贈っている=19日、茅野本町支店




「祝 国宝指定」の文字が入り出番を待つ商店街用のフラッグ。3種類計270枚を用意している=20日、茅野市役所

 茅野市で出土した縄文土偶「仮面の女神」が国宝指定の答申を受けてから約3カ月。答申後、初の地元公開となった市尖石縄文考古館の特別展の入場者が増えるなど、同市内で縄文文化があらためて注目を集めている。土偶のレプリカを粘土で作る考古館の講座も人気で、契約者に土偶のイラスト入りグッズをプレゼントする定期預金も登場した。縄文遺跡を生かした街の活性化に取り組んでいる同市にとって、国宝指定答申は「追い風」になっている。

 14日から始まった考古館の特別展「縄文のお母さん」(10月13日まで)では、すでに国宝に指定されている「縄文のビーナス」とともに「仮面の女神」を展示。25日まで入館を無料にしたこともあって、29日までの入場者は前年同時期の約4倍に当たる7505人となった。レプリカを見ながら粘土で土偶を作る考古館の体験講座も「いつもより予約が埋まるのが早い」という。

 同市北山小学校は21日、学校祭で「縄文体験」講座を開催。考古館の学芸員と親子が学区内の上之段遺跡で土器片や黒曜石を拾う詳細分布調査に取り組んだ。同市内の全小中学校は本年度から「縄文科」の授業を取り入れており、学芸員の功刀(くぬぎ)司さん(49)は「講師として学校訪問をする回数が昨年の3倍ほどに増えた」とする。

 ブームをビジネスに生かす取り組みも始まった。諏訪信用金庫(岡谷市)は、通常より金利を優遇した「縄文定期預金・積金」の取り扱いを2日から開始。契約者には「仮面の女神」のイラストを入れたハンドタオルなどのオリジナルグッズを贈っている。茅野商工会議所は縄文土器の模様をデザインしたバンダナやマグカップも試作している。

 茅野市は、官報告示による正式な国宝指定が近く見込まれるため、商店街に張り出す「祝 国宝指定」と印刷したフラッグを準備済み。市商工課の大蔵健司商業係長は「正式な指定を受けて市全体でお祝いして、一層盛り上げていきたい」と話している。

[写真・文 有賀史]
 
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