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「ねこつぐら」に熱視線  栄村のわら細工 全国から注文
(2015年3月23日掲載)
 

<技術を伝える> 村民を対象に開いたねこつぐらの制作体験会。村つぐら振興会の藤木金寿会長(中央)が技術を伝えた=15日、栄村のトマトの国




「ここはどうしたらいいですか」。わらの編み方を習う=2月22日、栄村のトマトの国




制作体験会で初めて作ったねこつぐらに入る飼い猫「ふーちゃん」を眺める油科(よしな)光子さん=15日、栄村豊栄
 

<難しい加減> 村内の作り手で最高齢の高橋甚治さん(90)。わらを柔らかくするため木づちでたたき、「たたきすぎてもだめ、加減が難しいんだ」=17日、栄村青倉



「念願だったので買えてうれしいです」。イベントで売り出された栄村のねこつぐらを買い求める客(右端)。30分ほどで10個が売り切れた=2月13日、長野市のながの東急シェルシェ



栄村のねこつぐらを予約した人の名前がずらっと並んだ用紙=18日、栄村の森宮野原駅交流館ふきのとう

 下水内郡栄村に伝わるわら細工「栄村つぐら」の一つで、猫の“家”として使う「ねこつぐら」が全国から注文が入る人気商品となっている。ペットブームに加えて、昨年11月に栄村つぐらが県の伝統的工芸品に指定されたことも人気を後押しする。ただ、村では作り手の高齢化が進み、制作できる数が限られているため、村振興公社などは今年初めて住民向けに制作体験会を開き、伝統の継承に本腰を入れ始めた。

 体験会は、ねこつぐらの販売を請け負う同公社と村公民館が企画し、1月下旬から3月15日までの毎週末に計8回開催。30〜70代の村民ら十人余が参加し、村つぐら振興会の藤木金寿会長(86)らが作り方を伝えた。

 初めて体験した同村森の馬場真依子さん(36)は「わらを編むのに結構力がいるので大変。栄村の冬は長いので、いずれ編めるようになれればいいな」と話した。同公社は「体験会を通して、村内から後継者が出てきてほしい」と期待し、今後も開催していくという。

 ねこつぐらは1980年代半ばから、農閑期の冬仕事として村内で盛んに作られるようになったが、当時約50人いた作り手は現在14人まで減少し、いずれも60〜90代と高齢化が進んでいる。最盛期には年間約750個ほどを販売したが、現在は百数十個ほどにとどまっている。

 県や県中小企業団体中央会が、県内の伝統的工芸品などを集めて2月中旬に長野市内で開いた「信州の手しごと博覧会」では、開幕と同時に栄村のねこつぐら目当ての客が訪れ、用意していた10個が30分ほどで売り切れた。村振興公社の予約受け付け台帳には約30件が書き込まれており、引き渡しまで1年以上待ってもらっている状態が続いている。価格は大きさで異なり、1万3千〜2万円。

[写真・文 小西由紀]
 
写真グラフ 信毎フロント

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