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信州ならではの自然保育を  県、認知度向上へ独自の認定制度
(2015年5月11日掲載)
 

<耳を澄ませば> キャンプ場の一角を拠点にする「森のいえ ぽっち」。朝の会で「今日も鳥の声が聞こえるよ」と子どもたちが耳を澄ましていた=7日、富士見町乙事




散歩中に野生のシカ(上)に遭遇した「山の遊び舎 はらぺこ」の親子(下)。「シカさん、ばいばい」と手を振る子、驚いて立ち尽くす子と反応は様々=4月23日、伊那市東春近下殿島




満開のハナモモの下を歩いてワラビを探す「野あそび保育 みっけ」の子どもたち=7日、阿智村清内路のふるさと村自然園
 

<笑顔で駆けっこ> 木々に囲まれた遊び場の斜面を駆け降りる「森のようちえん ぴっぴ」の子どもたち=8日、軽井沢町発地




散歩中に道端で見つけたスイバの葉をかじる「響育(きょういく)の山里 くじら雲」の子どもたち。「この葉っぱは酸っぱいんだよ」=4月22日、安曇野市明科七貴

 豊かな自然の中で野外体験活動を重視した保育や幼児教育を行う「森のようちえん」。県が今年、信州の自然保育への認知度や信頼度を高め、県内外に発信しようと独自の認定制度を創設したこともあり、注目が集まっている。

 鳥の鳴き声が響く諏訪郡富士見町のキャンプ場の一角では地元のNPO法人「ふじみ子育てネットワーク」が運営する野外保育「森のいえ ぽっち」の子どもたちが木漏れ日の下で工作をしていた。「ぽっち」や北佐久郡軽井沢町の「森のようちえん ぴっぴ」は園舎を持っていない。森や野山全体が教室だ。雨や雪の日もカッパを着て遊ぶ。

 「自然の中で子どもが思う存分遊び切れることが大切です」。「ぴっぴ」代表の中澤眞弓さん(66)はそう話す。

 安曇野市の古民家が拠点の「響育(きょういく)の山里 くじら雲」の子どもたちは、散歩の途中でスイバの葉を食べてみたり、毛虫を観察したり。自然の中で子育てをするため都内から安曇野市に移り住んだ辻野恵さん(37)は、森のようちえんの存在が移住先の決め手になったといい、「虫や鳥、野草が身近にあるのは信州ならでは」と指摘する。

 県野外保育連盟理事長で森のようちえん全国ネットワーク運営委員長も務める飯田市の「野あそび保育 みっけ」園長の内田幸一さん(61)は、公的財政支援が無いことや野外活動に対応した保育者の育成を今後の課題に挙げる。県の認定制度は「野外保育を幼児教育の一つとして認知してもらう第一歩。保育全体の幅を広げるきっかけになるといい」と話している。

[写真・文 有賀史]
 
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