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土地に寄り添い 感性磨く  若手芸術家夫妻 都内から中野へ移住
(2015年10月12日掲載)
 

長野市松代町で開いた「手づくり市」で座面にアサガオをデザインしたいすやシャクヤクの手ぬぐいなどを販売する靖子さん(中央)。興味を持った客には作品集を見せて活動を紹介した=10日



<被災地・栄村で生まれた縁> 恭平さん(左)が学生時代に県北部地震で倒壊した家屋のはりを材料に彫った「復興祈念モニュメント」前で、依頼した商店主たちと久々の再会=5日、栄村のJR森宮野原駅




作品づくりのヒントを探しに秋が深まる志賀高原「一沼」を訪れた恭平さん(左)、靖子さん夫妻=7日、山ノ内町
 

<中野の風景デザイン> 高社山や十三崖のチョウゲンボウなど中野市の風景をデザインして染めた手ぬぐいをアトリエ内で乾燥させる相子夫妻。窓の外には北信濃の田園風景が広がる=7日、中野市草間




のみを使って住宅の柱に彫刻を施す恭平さん=9月30日、長野市三輪




中野市の総合戦略会議に参加し、メンバーと街づくりへの意見を交わす靖子さん(中央)=9月15日、同市三好町

 芸術の秋―。今春、東京芸大大学院を修了したばかりの若手芸術家夫妻が、都内から移り住んだ中野市で創作活動を始めている。移住を機に結婚した2人は、地域とのつながりを大切にしながら活動の幅を広げようとしている。

 夫妻は、群馬県出身の彫刻家相子(あいこ)恭平さん(26)と、埼玉県出身でテキスタイル(布地)デザイナーの靖子さん(27)。2013年、下水内郡栄村の有志が募集した県北部地震の「復興祈念モニュメント」の作者に当時学生だった恭平さんが選ばれ、イメージづくりのため同村を訪れたことで信州との縁が生まれた。今年3月に2人で同村から松本市に向けて旅行をした際、「豊かな自然の中で創作をしたい」と意見が一致。信州を拠点にしようと決めた。

 知人の紹介で、中野市草間の工務店事務所の一角を住居兼アトリエとして間借りし、「相子製作所」の屋号で5月から新生活を送っている。靖子さんは北信濃の自然からヒントを得て桑の実をデザインしたのれん、チョウゲンボウやシャクヤクの手ぬぐいなどを制作。恭平さんは県産材を使った彫刻作品を催しで販売したり、家主の工務店が施工した住宅の柱に彫刻を施したりしている。市の総合戦略会議や若者会議など、地域づくりにも積極的に加わる。

 今後は、シルクスクリーン版画でTシャツやバッグを制作するワークショップをアトリエで開くなど、交流を広げる活動を増やしていきたいという。「この土地の自然や歴史を知りながら、人々の暮らしに寄り添う美しいものを作っていきたい」と夫妻。志賀高原を散策したり近くの高社山に登ったりしながら、秋が深まる北信濃の自然を題材に感性を磨いている。

[写真・文 中村桂吾]
 
写真グラフ 信毎フロント

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