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よろしく新米ベアドッグ  来春デビューへ軽井沢で訓練中
(2015年11月30日掲載)
 

<においを覚える> 熊が入ったままのおりに近づき、生きた熊のにおいを覚えるナヌック(右)とタマ(左)=11日



学習放獣に参加したタマとナヌック(左下)。まだよそ見をしている=11日



熊のにおいを探索する初めての実践的な訓練を前に手順を確認する田中さん(右)と大嶋さん=11日



職業体験中の軽井沢高校の生徒に擦り寄るタマ。ベアドッグや熊対策の周知活動も仕事の一つ=6日
 

雪が積もった里山で訓練する田中さんとタマ(右)、大嶋さんとナヌック。雪の下のにおいも察知できるようにならなければならない=27日




熊の手のにおいをつけた道をたどる訓練で、肉片にたどり着いたナヌック=11日




田中さんの指示で川の中を駆けるタマ。熊を追い払うには水を怖がらないことも大切だ=6日

 北佐久郡軽井沢町で、町から委託され熊との共存対策を進める同町長倉のNPO法人ピッキオのベアドッグ(熊対策犬)2匹が、来春のデビューに向け訓練を重ねている。

 ベアドッグは人里に近づく熊をにおいで察知し、大きな声でほえて森の奥へ追い払うことで熊を傷つけずに人を守るのが主な仕事だ。10月に米国の育成機関から購入した2匹はきょうだい。田中純平さん(42)が雌の「タマ」、大嶋元さん(41)が雄の「ナヌック」のハンドラー(飼育士兼訓練士)となり、訓練以外の時間も行動を共にしながら指導している。

 今月上旬から始めた実践訓練では、森の中であらかじめ熊の手を引きずって付けたにおいを追跡。においに敏感なタマは、割とスムーズに熊の手を探し当てた。一方、警戒心や探求心がやや薄いナヌックは、風に惑わされたり道をそれたり。予定になかった熊のふんを見つける「成果」も見せつつ、たどり着いた。

 11日には、町内のわなにかかった体重74キロの雄熊の学習放獣(声や花火の音などで威嚇し放す)にも参加。訓練を始めたばかりの2匹はよそ見をして放獣の瞬間を見逃したが、一人前になればほえて熊を遠くに追い立てなければならない。

 散歩の最中も水の中を進んだり障害物を飛び越えたりと学ぶことは多い。野生動物のふんを見つけた時などは、ご褒美の乾燥肉を与えて喜びを感じさせることも大事だ。今後は学習放獣に使う花火や爆竹の音に慣れたり、必要な時に指示を受けてほえたりする訓練も積む。

 「まだまだ数え切れないほどの段階を踏まなければならないが、素質は十分なので楽しみ」と田中さん。2013年に急死した初代ベアドッグの「ブレット」を超える活躍を―と期待している。

[写真・文 北沢博臣]
 
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