写真グラフ
 

蜂蜜 松本市街地の魅力に  ビル屋上利用 養蜂の取り組み相次ぐ
(2016年5月23日掲載)
 

百貨店屋上の「養蜂場」で、収穫体験のため巣の枠を取り出す深沢さん(右)。周囲をハチが飛び交う=21日、松本市深志の百貨店井上




巣の表面を覆うふたを削り落とす収穫体験の参加者=21日、百貨店井上




採れたての蜂蜜をパンケーキにかけて味わう収穫体験の参加者=21日、百貨店井上
 

松本城を望むビルの屋上に巣箱を運び込み、中のハチの様子を観察する三の丸倶楽部のメンバーら=21日、松本市大手の紫陽花




「気持ちよく巣に帰ってきてもらえるように」と、巣箱を搬入する前に屋上を整備する斉藤さん(右奥)ら=15日、紫陽花




鹿児島県での越冬から戻った巣箱。須田さん(右)が手にした巣箱を三の丸倶楽部の養蜂に使う=18日、松本市島内

 松本市の中心市街地で、ビルの屋上を利用してセイヨウミツバチを飼う取り組みが相次いでいる。蜂蜜の販売や収穫体験、菓子の開発など、さまざまなプロジェクトが進行中だ。県内の蜂蜜生産量は全国トップクラス。ミツバチの力で街の魅力を高めようと、関係者は意気込んでいる。

 松本城周辺の街づくりを考える住民組織「松本城・三の丸倶楽部」は、県養蜂協会松本支部の協力を得て養蜂事業「松本みつばち物語」を始めた。「蜂蜜は中心市街地でも生産できる農作物。生き物を身近に感じることで、環境に配慮した街づくりにつなげたい」と座長の斉藤忠政さん(41)は話す。

 松本城の近くで蜂蜜の直売所を営む同支部の須田博己さん(72)がミツバチの面倒を見ている。21日には城の天守閣を望む喫茶店「紫陽花(あじさい)」の屋上に、巣箱2個を設置。早ければ今月中に採蜜を始める。斉藤さんは、発売時期は検討中としながらも「近々、三の丸に来れば味わえるようにしたい」と話す。

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 昨年、市内の百貨店井上の屋上で同社と蜂蜜製造販売の信州蜂蜜本舗(松本市)が試験的に始めた「松本みつばちプロジェクト」。21日には蜂蜜の収穫体験を行い、親子連れら8人が参加して重さ十数キロの蜜を集めた。

 セイヨウミツバチは特定の花から蜜を集めることが多いが、「市街地ではいろいろな花から集めた蜜が混ざるので、この地域ならではの味が出来上がる」と信州蜂蜜本舗常務の深沢博登さん(37)。昨年は巣箱2個でスタートしたが、今年は5個に増やした。6月中旬に蜂蜜の発売を予定するほか、蜂蜜を使った新たな菓子の製品化も計画する。

 農林水産省畜産振興課によると、長野県の蜂蜜生産量は360トン余(2014年)で全国1位。県養蜂協会副会長で松本支部長の佐野友治さん(63)は「日本一とは、あまり知られていないのではないか。中心市街地での取り組みで、信州ブランドの蜂蜜を一層全国に発信していきたい」と意気込んでいる。

[写真・文 梅田拓朗]
 
写真グラフ 信毎フロント

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