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「雨氷」の傷跡 早く元通りに  中信地方、被害発生5カ月 続く復旧作業
(2016年6月27日掲載)
 

<沢筋の斜面 危険な作業> 沢筋に折り重なる倒木を切断する。足元の悪い斜面での危険な作業だ=22日、山形村の横吹沢




倒木の直撃で壊れたままの鳥獣被害防止柵=20日、朝日村御馬越




倒木に注意を促す看板=20日、松本市入山辺
 

道路上の倒木撤去がほぼ終わった山形村の林道横吹1号線。重機が届く範囲で周辺も片付けた=22日




県森林組合連合会中信木材センターに運び込まれた倒木。一般の木材とともに山積みになっている=17日、安曇野市




根こそぎ倒れた木々がいまだに無残な姿をさらす=21日、松本市入山辺




倒木被害現場を視察に訪れた中島恵理副知事(手前右)に説明する中村武雄朝日村長=15日、朝日村の野俣沢林間キャンプ場

 樹木に雨が凍り付く雨氷(うひょう)現象で、中信地方を中心に大きな被害が出てから間もなく5カ月。雨の季節を迎え、沢筋の倒木が水をせき止めて起こす鉄砲水や、無残な景観が夏の観光に及ぼす影響などが心配されている。

 7月1日の通行止め解除に向け、復旧作業が続いていた東筑摩郡山形村の林道横吹1号線。22日までに道路をふさいでいた倒木の撤去が終わり、重機が届く範囲で周辺の倒木も取り除いた。

 作業していた松本広域森林組合筑南支所(塩尻市)の小沢京太さん(37)は、「斜面は足元が不安定な上、幹に不自然な力がかかっているので、思わぬ方向に跳ねるなど大変危険な作業です」。重機が届かない斜面に残る大量の倒木は「幹にワイヤをかけて、ウインチで引き出すしかないでしょう」と話していた。

 温泉旅館の宿泊客らが一時足止めされるなどの被害が出た松本市入山辺では、処理が追いつかずいまだに大量の倒木が斜面に横たわる。山菜採りをしていた横浜市の伊藤清一さん(52)は「美ケ原を毎年訪れるが、辺りの風景が一変していて驚いた。自然の力の恐ろしさを感じる」。松本市維持課は被害地域を定期的にパトロールし、危険な木をその場で処理するなどしている。管理する市道には新たに「倒木注意」の看板を立てて注意を促している。

 同郡朝日村では、倒木の直撃を受けた鳥獣被害防止柵が広範囲にわたってつぶれたままになっている。同村御馬越では、収穫期を迎えた農家が野菜畑を囲む動物よけの柵や網を、昨年より厳重にする動きもある。

 現場から運び出された倒木は、県森林組合連合会中信木材センター(安曇野市)で選別作業を受け、チップ用や建材用などに販売されている。

[写真・文 宮坂雅紀]
 
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