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迫る「山の日」北ア活況  涸沢 夏山満喫の登山者
(2016年8月8日掲載)
 

夜明け前の北アルプス・涸沢カール。瞬く星の下にテントの明かりやヘッドライトの光跡が浮かび上がる=3日午前3時53分から2分20秒露光



残雪の少ない涸沢カールを後に、奥穂高岳を目指す登山者=3日




夕食時、宿泊者にヘルメットの着用を呼びかける県警山岳遭難救助隊員。手にするのは実際に落石から登山者を守ったヘルメット=3日、涸沢ヒュッテ




涸沢付近で見頃を終え、綿毛を揺らすチングルマ=3日
 

晴れ間を縫って食料などの物資を空輸するヘリコプター=3日、涸沢ヒュッテ




テント泊の登山者が食事の準備などに使う涸沢ヒュッテの水場。水不足が深刻化すれば有料化も検討するという=4日




夏山合宿で自炊に挑戦する中高生。ご飯にスナック菓子をかけるなど「独自の味」を探求する=3日、涸沢ヒュッテ

 初の国民の祝日「山の日」(11日)を前に、北アルプス・穂高連峰への登山拠点・涸沢(約2300メートル)に夏山のにぎわいが到来している。

 山小屋「涸沢ヒュッテ」周辺にはテントが並び、大勢の登山者が頂上からの眺望に思いをはせたり、登頂の達成感を思い返したりしていた。家族4人で奥穂高岳に登った千葉市の中川浩さん(44)は「稜線(りょうせん)や西穂高岳を歩く人が頂上から見渡せて、感動した」。長男の公貴君(8)は、鎖場をよじ登ったことを振り返り「ずり落ちそうで怖かったけれど、達成感があった」と満足げに話していた。

 昨年から今年にかけて降雪が少なかったため、例年は3分の1ほどが雪に覆われるテント場は岩がむき出し。野営していた三重県鈴鹿市の谷口正夫さん(66)は「いつもは雪渓を渡るのにアイゼンが必要か迷ったが、今回は出番がなかった」と話した。

 残雪の少なさから水不足が心配されたが、ヒュッテ支配人の小林剛さん(52)は現状ではさほど深刻ではないとする。ただ、「今後雨がずっと降らなければ、節水に努めたり、水場の有料化を考えたりしなければならないかも」。水源に貯水タンクを6基増設する計画という。

 花の見頃も20日ほど早く推移し、チングルマは既に花を散らし、綿毛の状態だ。昨年は9月25日ごろだった紅葉のピークは「今年は早まるかもしれない」(小林支配人)という。

 北アの山々は間もなく夏山シーズンのピークを迎え、多い日は200人がヒュッテに宿泊する。小林支配人は「『山の日』が制定された年なので、夏休みの子どもと一緒に家族で山の魅力を味わいに来てほしい」と話していた。

[写真・文 林克樹]
 
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