写真グラフ
 

東御の台地に個性派アート  天空の芸術祭
(2016年10月24日掲載)
 

組み合わせた「はぜ掛け」の棒に、不要になった布を巻き付ける住民たち。住民や見学者が携わる参加型作品で会期中に姿を変えていく=21日、東御市御牧原の浅望公園



旅館を解体して出た廃材を林立させた英国人作家の作品=15日、八重原



住民らが片付けをして作品展示場に生まれ変わった旧稚蚕共同飼育所の地下=15日、八重原



オープニングイベントでは国内外の作家と地元住民らが交流した=9日、八重原



籠に風車が付いたカラフルな貸し出し自転車で展示会場を巡る=15日、八重原
 

ため池をキャンバスにした作品。奇妙な姿の造形物がぷかぷかと浮かぶ=21日、御牧原



地域に点在する石碑から採った拓本を貼った作品=16日、御牧原の「御牧原てらす」



会場の設営を手伝う地元住民。芸術祭の運営にボランティアで協力している=9日、八重原



 東御市北御牧地区の八重原と御牧原の二つの台地を舞台に、「天空の芸術祭」が初めて開かれている。住民と、東京芸術大出身の地域おこし協力隊員らが協力し、豊かな自然や既存の施設を生かした芸術活動で地域の良さを発信している。

 同大副学長の保科豊巳(とよみ)教授(63)が旧北佐久郡北御牧村(現東御市)出身という縁で総合ディレクターを務め、北御牧地区の住民組織「御牧ふれあいの郷(さと)づくり協議会」と同大などでつくる実行委員会が主催する。ともに協力隊員で同大大学院修了生の森健太郎さん(28)と同大美術学部元助手の有賀慎吾さん(33)が中心となって企画し、約20の団体や作家が出展している。

 空が近く感じられる標高700メートル余の台地上では、複雑に組み合わせた「はぜ掛け」の棒の周りに大勢の人たちが集まっていた。作家や住民、見学者らがカラフルな布を棒に巻き付けていくことで、会期中に姿を変えていく参加型の作品だ。地区内のため池、使われなくなった稚蚕(ちさん)共同飼育所など、一風変わった施設も展示会場になっている。

 作家が地域に通って構想を練り、地元の廃材や土を使うなどした作品は個性派ぞろいだ。同大大学院生の東條陽太さん(28)は、地域に点在する石碑が気になり、数十点から採った拓本を貼り合わせた作品を出展。ため池「四郎池」には、お盆の飾り物から着想したという奇妙な造形物がぷかぷかと浮かぶ。作者の同大大学院生、田財あかねさん(24)は「地域の人と交流しながらの制作は、一人では出ない新しいアイデアが生まれて楽しい」と話した。

 保科教授は「これほど地域に密着した芸術祭は珍しい。まだ規模は小さいが、国際的な芸術祭を目指していきたい」と意気込んでいる。芸術祭は30日まで(月曜日休み)。作品はいずれも無料で見学できる。

[写真・文 小西由紀]
 
写真グラフ 信毎フロント

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