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環境ビジネス ヤギ一役  信濃町のIT企業 牧場運営
(2017年5月1日掲載)
 

ヤギ山(奥)もある「グリーンビズ牧場」敷地内の放牧地。大型連休明けには電気柵を整備し、ヤギを放す予定だ=4月25日、信濃町富濃




入社2年目で飼育の中心となっている大山麻由香さん(左)。「顧問」と呼ぶ、町内の60歳以上の人たちと一緒にヤギの世話をしている=4月25日



小坂誠会長の友人の民間車検工場敷地に立つとりで型のヤギ小屋「やぎ丸」。夏の間、ヤギが出張して周辺の雑草を食べる=4月24日、上田市上塩尻の菅沼モーター工業



畜舎で、温水で体を洗ってもらう子ヤギ。手を掛けて育てられている=4月18日
 

牧場で今年生まれたばかりの「日本ザーネン種」の子ヤギ=4月25日




ヤギの乳から作っているチーズ。約10リットルから直径20センチほど、重さ約1キロの塊ができる。味や熟成期間などについて、検討を重ねている=4月25日




牧場から雄の「雪やぎ」2匹を購入し、マスコットとして飼育しているペンション。経営者の上西克幸さんは「癒やしの宿のイメージに合っている」=4月25日、信濃町野尻の「ごはんのお宿ほっこり」

 「メエー。メエー」―。上水内郡信濃町富濃の山間地にある畜舎から子ヤギの元気な声が響く。自動車販売店や整備工場向けのソフトなど、コンピューターシステム開発・販売の「ディーアイシージャパン」(本社信濃町)が運営する「グリーンビズ牧場」だ。約1・5ヘクタールの敷地に畜舎と放牧地があり、約90匹のヤギを飼育している。

 同社は自動車関連業界向けに二酸化炭素(CO2)削減を監視管理するコンピューターシステムを開発したり、関連会社で太陽光発電などグリーン電力の販売を手掛けたりする中で、目に見える環境保全事業の一環としてヤギ飼育に着目した。排ガスの出る機械によって雑草を刈り取るのでなく、ヤギに食べさせることで、CO2を削減し遊休農地解消にも役立てる。将来的には乳製品の商品化も視野に入れている。

 2009年に畜舎を用意するなど準備を始め、10年7月に飯田市の「下伊那子山羊(こやぎ)市場」で乳用の「日本ザーネン種」の雌3匹を購入し事業をスタート。徐々に飼育数を増やし、この春には40匹の子ヤギが生まれる見込みだ。

 世話をする中心は入社2年目で千葉県松戸市出身の大山麻由香さん(22)。動物飼育の専門学校で同社の求人票を見て応募した。町内の60歳以上の人たちと協力して毎日、子ヤギにミルクを与えたり、定期的に飼育室の敷きわら交換をしたりしている。

 信濃町産のヤギとして雄を「雪やぎ」、雌を「しなの雪姫」と商標登録。7月には今年生まれた子ヤギの何匹かを競りに出す予定だ。個人宅などへの貸し出しやイベントへの出張も行う。

 同社の小坂誠会長(76)は「ヤギの飼育だけで採算はとれないが、環境ビジネスの象徴として行っている。将来的には飼育数をもっと増やして軌道に乗せ、良いヤギをブランドヤギとして育てたい」と意気込んでいる。

[写真・文 吉沢正志]
 
写真グラフ 信毎フロント

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