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女性2人 学ぶ匠の技  中野の工務店で大工修業
(2017年6月5日掲載)
 

のみを使って古材の「手刻み」を行う中田さん=1日、中野市草間




<古民家 軽井沢移築へ調査> 軽井沢町へ移築する築100年以上の古民家の木組みを調べる中田さん(左)と荒川さん=5月27日、新潟県十日町市馬場




<こうやって…親方から指導> 手斧(ちょうな)の使い方を中田さん(右)に教える親方の勝山さん=1日、中野市草間
 

墨つぼから糸を引き出して刻む線を木材に描く「墨付け」をする荒川さん=1日、中野市草間



古民家の屋根に乗り、寸法を測る中田さん(中央)と荒川さん(右)





工務店の作業場で、親方の勝山さん(右)とひと息入れる中田さん(左)と荒川さん=1日、中野市草間

 伝統工法による木造建築や古民家再生を得意とする中野市草間の工務店「勝山建設」で、2人の女性が大工修業を積んでいる。機械による木材加工(プレカット)が主流の家造りが進む中、加工の全てを手作業で行う「手刻み」を守り続ける同工務店で技術を習得したいと昨年入社。互いに競い、励まし合いながら匠(たくみ)の技と心を学んでいる。

 共に上高井郡小布施町在住で、同市東山出身の中田藍さん(28)と東京都墨田区出身の荒川昌子さん(30)。中田さんは大学で建築を専攻。在学中に課外活動で木造建築の設計と施工に関わり、大工の道に進もうと決めた。大学院修了後は都内の工務店で経験を積み、結婚を機にUターンした。荒川さんは彫刻を学んだ美大を卒業後、家具作りに興味を持ち専門学校でインテリアデザインを勉強。山梨県の工房で家具職人として働いたが、古民家が持つ土着の空間表現にひかれて大工の世界に飛び込んだ。

 2人は現在、親方の勝山要助さん(70)の指導を受けながら、北信地方を中心に県内外の現場を飛び回る。勝山さんは「手刻みによる家造りは手間と時間がかかるが、その分携わる職人の魂がこもる。2人からは建築に対する熱意が伝わるので、多くの現場を体験させ、確かな技術を持った大工に育てていきたい」と期待を寄せる。

 中田さんは「いつかは棟梁(とうりょう)になり、家1軒丸ごと関わって建てられたらうれしい。子どもができてお母さんになっても大工を続けていたい」。荒川さんは「日本の古民家は自然の力強さと大工技術の巧妙さが調和している。技術的なことを知るとそのすごさを実感するので、探求していきたい」。伝統建築と向き合う日々が続く。

[写真・文 中村桂吾]
 
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