写真グラフ
 

    夏きらめく 北ア白馬岳  大雪渓・高山植物・山小屋の夜
(2017年8月7日掲載)
 


列を作って白馬大雪渓を進む登山者たち。涼風が吹き抜け、下界とは別世界の爽やかさだ=4日



雨や霧が続いた白馬岳。2日朝、山頂から久しぶりに御来光が拝めた。写真を撮ったり、手を合わせたりする登山者の顔が赤く染まった



白馬山荘で夕食後に開かれた山岳セミナー。副支配人の奥田裕之さんが撮影したライチョウや白馬連峰の写真を投影し、約80人が見入った=3日


白馬山荘内にある昭和大医学部白馬診療所では医師と共に2〜5年生が1週間交替のボランティアで運営に当たる。高山病の中学生が酸素吸入を受けて休んでいた=2日
 

白馬山荘近くに姿を見せたニホンライチョウ。今は子育ての時季。親鳥の周りを5羽のひなが元気に走り回っていた=1日




登山道沿いを彩るお花畑。黄色のミヤマキンポウゲやシナノキンバイが鮮やかに彩り登山者の目を楽しませる=3日





白馬山荘の厨房にずらりと並んだ夕食のおかず。この日は172食を提供した=1日

 北アルプス白馬岳(2932メートル)に夏山のにぎわいが到来している。日本三大雪渓の一つ、白馬大雪渓を経由する人気のルートでは、カラフルなウエアを着た登山者が涼しい風の中、列になって頂上を目指す。山小屋の入り込みは8月に入り最盛期を迎えている。

 白馬大雪渓を吹き下ろす涼風は10〜12度。島根県大田市から家族5人で雪渓を登った岩谷寛悟君(9)は「雪の割れ目が大きかったり、足元が滑ったりでちょっと怖かったけれど、涼しくて夏にはぴったり」と笑顔。川崎市宮前区の吉岡昌子さん(57)は「まさに天然のエアコン。風が爽やかで快適です」と山岳会の仲間と満喫していた。

 山頂近くにある国内最大規模の山小屋、白馬山荘(収容800人)では、5日に今夏最多の500人が宿泊。中牧辰男支配人(64)は「例年7月の最終土曜がピークだが、今年は天気が悪く、ずれ込んだ」と話す。山荘から15分ほどの山頂では2日朝、50人ほどが御来光を楽しんだ。山頂付近はそれまで10日ほど雨や霧が続いていたといい、久しぶりに雲海の上に姿を見せた朝日に、登山者は手を合わせたり写真に収めたりしていた。

 登山道沿いでは高山植物も見頃を迎え、黄色のミヤマキンポウゲや青紫色のチシマギキョウ、だいだい色のクルマユリなど色とりどりの花が登山者の目を楽しませている。高山植物保護パトロール員の古閑(こが)佑介さん(35)は「白馬岳は花の種類も量も多い。今年は残雪が多かったため花が例年より遅れており、今が盛り」。お盆を過ぎるとマツムシソウなど秋の花も咲き始める。

 夏山常駐パトロール隊白馬班の久田重太班長(30)によると、大雪渓は例年より1カ月ほど早くクレバス(雪の割れ目)が現れ、雪渓下部を横断するほど大きく広がっている。「雪渓に示したルートやロープの規制に従い、アイゼンも装着してほしい」と久田班長。白馬山荘の中牧支配人も「山荘には遅くとも午後4時には着くなど、安全登山で楽しんでほしい」と呼び掛けている。

[写真・文 有賀史]
 
写真グラフ 信毎フロント

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