写真グラフ
 

園児真剣「ハッキヨイ!」  塩尻の保育園 遊びに取り入れる
(2017年10月30日掲載)
 

「ハッキヨイ」。鋭い出足を土俵際でこらえて投げを打つ園児=20日、塩尻市洗馬の妙義保育園




関取の写真を指差して名前を覚える園児たち=26日




横沢さんからプレゼントされたまわしを締める園児たち=20日
 

朝の遊びの時間に四股を踏み準備体操。後方の木では「てっぽう」も=26日



取り組み前に手作りの懸賞旗が回って雰囲気を盛り上げる=20日



相撲の動作を取り入れたオリジナルダンスを披露した運動会=9月30日



子どもたちに所作や心構えを指導する「相撲の先生」の横沢さん=8月22日

 「ひがーし、みたけうみー」「にーし、たかやーすー」と、呼び出しの元気な声が響く塩尻市洗馬の市立妙義保育園(園児数114人・古畑由美子園長)。5月から年長のつばめ組が遊びに相撲を取り入れた。実際の力士の名前で呼ばれた子どもたちは、声援が飛び交う中、真剣勝負を繰り広げる。園によると、半年がたち、子どもたちに思いやりの気持ちが育つなど好影響が見られるという。

 担任の小林早苗さん(27)が、園にあった帆布製の土俵マットを生かそうと相撲に着目。「初めはただの取っ組み合いでした」と笑う。小林さんは相撲に詳しいわけではなかったが、テレビを見たり、新聞を読んだりして相撲について研究。7月には大相撲名古屋場所を観戦し、観客席から力士や裏方の動きを自分で写真撮影した。アルバムを作って子どもたちに見せ、相撲について説明した。

 子どもたちはほぼ毎日、朝の遊びの時間に「朝稽古」として腕立て伏せや四股、柱を突く「てっぽう」などで体を温めてから相撲を取る。

 「妙義大相撲つばめ場所」と名付け、ほうきで掃き清めた土俵の周囲を、手作りの懸賞旗が回る。力士は「塩まき」のポーズの後、四股を踏み、腰をパンパンとたたいて気合を入れ、そんきょ。両手をしっかり土俵につけてにらみ合う。勝ち名乗りを受けた力士は手刀を切り、「懸賞金」を受け取って一礼して土俵を下りる。すぐに決まり手のアナウンスも入る。

 相撲の所作などは同市北小野の県相撲協会理事、横沢憲一さん(73)が指導。「子どもたちが、本物のお相撲さんと同じ形で相撲を取ろうと熱中していて驚いた」という。

 「自分が勝つだけで良かった子が、友達の取組を応援し、行司や呼び出しなどの役割も譲り合うようになった」と小林さん。「勝ち負けがあるからこそ、相手を思いやる気持ちが生まれる。相撲が精神面も成長させていると感じます」と目を細めている。

[写真・文 宮坂雅紀]
 
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