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県産切り花に海外が熱視線  輸出増加 バイヤーが視察
(2018年1月29日掲載)
 

花き市場で開いた展示会で、みなみ信州農協が出荷したダリア「黒蝶」を手に取るムハンマド・ファルクさん(右)。「深い色に引かれる」と話す=11日、愛知県豊明市の愛知豊明花き地方卸売市場




街の灯を背に浮かび上がるダリア栽培のハウス。発光ダイオード(LED)のランプで花に光を浴びせている=23日、飯田市下久堅




「フラワー・スピリット」の集出荷場で花の箱詰め作業を動画撮影する海外のバイヤー。品質に関わる細かい質問が飛んだ=14日、松本市和田




トラックに積み込まれるダリアなどの切り花。出荷先の市場を通して一部が輸出される=23日、豊丘村のみなみ信州農協総合集荷販売センター
 

ラナンキュラスのハウスを視察し、リング状の器具で花の大きさを測るムハンマド・ファルクさん(左から2人目)=14日、松本市和田




ハウス内で大輪のダリアを丁寧に刈り取る花き農家の久保田直人さん=10日、飯田市下久堅




ラナンキュラスの香りを確かめるニキータ・グバレフさん=14日、松本市新村

 2月14日のバレンタインデーや同16日の春節(旧正月)など世界各国で贈答品の需要が高まる時季を前に、高品質で美しい県内産の切り花に海外から熱い視線が注がれている。ロシア、中東、アジアなど各国から訪れたバイヤーが生産者のハウスなどを視察。贈り物用などとして輸出量は年々増えている。

 松本地方などの農家28軒で作る花き栽培組織「フラワー・スピリット」は、優雅さと繊細な美しさが特長のラナンキュラスを生産。年間生産量約270万本のうち約15万本を輸出する。7割が北米向けでアジア、中東、オーストラリアなどが続く。

 今月14日、ロシア、アラブ首長国連邦(UAE)、ベトナム、オーストラリアのバイヤー計5人が、松本市にあるフラワー・スピリットの集出荷場と農家のハウスを視察した。収穫までの期間や遮光など栽培に関することのほか、輸送への対応状況も確認しようと、段ボール箱の強度や保水シートの材質などについても質問が飛んだ。

 「日本の花は高品質で日持ちが良く大変人気がある。唯一の欠点は値段が高いこと」とUAEから訪れたムハンマド・ファルクさん(39)。ロシアのニキータ・グバレフさん(31)は「美しく整頓されたハウスと素晴らしい生産技術に感銘を受けた」。

 フラワー・スピリット代表取締役の上條信太郎さん(67)は「近いうちに花の輸出は当たり前という時代が来る」と今後に期待。「品質維持に努め、販売量を確保し、価格競争に耐えるのが課題です」とも話す。県農政部によると、県内の切り花の輸出額は15年の約2300万円から16年には約4千万円に増加している。

 「ここで作ったダリアが昨年1月、UAEのドバイで開かれたフラワーショーに並びました」。飯田市下久堅の花き農家久保田直人さん(65)は胸を張る。

 みなみ信州農協(飯田市)の管内では、標高差を生かしてダリアの通年栽培が可能という。16年度の生産量は日本一で、年間約134万4千本を出荷した。代表品種の「黒蝶(こくちょう)」など華やかな花がブライダル関連で注目され、卸売業者を通じて東南アジアや中東などからも引き合いがある。昨夏はインドネシアから同農協に3300本の注文があった。

 同農協営農部の松島明完(あきひろ)さん(29)は「黒蝶の濃く深い色は珍しく、海外でも通用する」と意気込んでいる。

[写真・文 宮坂雅紀]
 
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