この日、安全指導に当たったのは、補導員四人のほか、三十日まで滞在する県警山岳遭難救助隊員や駒ケ根署員の計九人。カール内にある駒ケ岳ロープウエーの山頂駅から降りてくる登山客に「どのルートに向かいますか」「日帰りですか」などと声を掛けた。軽装で上って来る人も多く、ジーパンに軽登山靴でやって来た人には、登山を中止してもらった。
新設した補導所は、これまで風雪の中で補導をしていた同遭対協にとって待ちわびていた施設。鉄骨平屋建て、床面積約十平方メートルの小さな小屋で、内部には簡易ベッドもある。ホテルとロープウエー山頂駅をつなぐ通路に窓口も設けた。建設費は約五百万円で、市も補助を出した。
同遭対協の堺沢清人・駒ケ根班長は「補導所が完成したからといって、遭難がなくなるわけではない。カールは雪崩の巣なのだが、ロープウエーで簡単に入れるので冬山初心者も登りに来る。登山を、より安全に楽しんでもらうためのアドバイスをしていきたい」と話していた。
(1998年12月30日 信濃毎日新聞掲載)