上松−中ア駒ケ岳−伊那部宿 ほぼ10時間で踏破



寝覚の床に到着した山岸慎英さん

 中信地方の男性三人がこのほど、日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師ウォルター・ウェストンが百十年前に片道十二時間で歩いたと著書に記す上松町―中央アルプス駒ケ岳―伊那部宿(伊那市)ルートのスピード登山に挑戦、十時間前後で踏破した。

 三人は、松本市島内の冒険家平田和文さん(46)、同市岡田松岡の無職小倉弘之さん(47)、白馬村岩岳の山岳ガイド山岸慎英さん(25)。最近の山岳縦走で知り合った。

 平田さんによると、このルートの踏破は、一般的に十五―十八時間かかるとみられる。ウェストンの健脚を確認するとともに、さらに速く歩けるとの予想を実証するのが目的だった。

 平田さんと小倉さんが上松町の寝覚の床を、山岸さんが逆に伊那部宿を、それぞれ午前五時に出発。平田さんたちは伊那部宿に午後二時四十分に到着し、山岸さんは寝覚の床に午後三時二十五分に着いた。

 ウェストンが歩いた道は、伊那側のルートが特定しにくい。六月に伊那市営西駒山荘管理人の宮下拓也さん(24)=同市上牧=が、ウェストンの行程を追体験する目的で、寝覚の床付近から伊那部宿までを十二時間弱で踏破。このとき、宮下さんは伊那側の西駒山荘から伊那部宿まで古道「権現づるね」を歩いたが、平田さんらは一般的な桂小場経由の登山道を選んだ。「歩いた距離は全部で三十六キロほどではないか」と平田さんはみている。

 寝覚の床に到着した山岸さんは「通気性のいい素材の服を着て、水を二リットルほど飲みながら、とばしてきた。ウェストンの健脚ぶりを実感できた」と話していた。

(2001年9月14日 信濃毎日新聞掲載)