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2010 長野県知事選

支援を受ける県議の後援会の会合で出席者に支持を訴える腰原氏=18日、松本市大手(左)。立候補予定者から教育や福祉の考え方を聞く会に出席した阿部氏=17日、松本市島立(中央)。聴覚障害者団体が開いた立候補予定者の話を聞く会に出た松本氏=16日、塩尻市峰原(右)

 22日告示、8月8日投開票の知事選で、立候補表明順に前安曇野ちひろ美術館長の松本猛氏(59)は安曇野市、元副知事の阿部守一氏(49)は松本市、前副知事の腰原愛正氏(63)は大町市と、いずれも中信に住所地を持つ。この連休も松本、阿部両氏が松本市や塩尻市で同じ集会に参加、腰原氏は松本市区選出県議の後援会に駆け付けるなど、それぞれ地元への浸透を強く意識する。3氏がせめぎ合う中信での勝敗が結果を左右するとして、有権者数43万人余で全県の4分の1を占める中信を「主戦場」と位置付ける陣営もあり、南北に長い県内で一足早く選挙ムードが高まっている。


 松本氏は東京出身だが、安曇野ちひろ美術館(北安曇郡松川村)運営でつながりのある文化人や、祖母が会長を務めた松本蟻ケ崎高校(松本市)同窓会の人脈が中信にあり、陣営は他地域に先行して中信での浸透を図ってきた。
 出馬を求めた企業経営者らでつくる政治団体「わくわく信州」のつながりも生かし、中信全域で20~30人規模のミニ集会を開催。話を聞きたい有権者が同氏を招く手法で回を重ねており、農林業や福祉関係者ら「松本氏の旧知の人脈以外に支援者の輪が広がってきた」(青山篤司・わくわく信州統括責任者)と手応えを感じている。
 特に松川村では支持の機運が高まっているようだ。平林明人村長や村議の現職、OBら有力者が独自の支援組織「松川村 松本たけしを励ます会」を結成。19日に同村で開いた集会には約150人が詰め掛け、陣営にとって初の大規模な集会となった。
 力を注いできた中信に比べ、他地域への浸透は十分ではないというのが課題。陣営は今後、県内各地での街頭演説や大規模な集会を企画し、「民間美術館の経営者としての実績や、人柄の良さをアピールしていく」としている。
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 阿部氏陣営は「松本市の票の出方で勝負が決まる」(鈴木満雄・後援会事務局長)。3氏が競い合う中信の拠点都市・松本市(有権者数19万3千人余)で優位に立つ戦いができれば全県にも影響が及ぶ-との考えで、18日も松本市内の松本駅前や大型商業施設前で街頭演説をした。
 東京生まれの阿部氏が、市内の教育・福祉団体とミニ集会を始めたのは約1年前。知事選出馬を模索、今年5月の大型連休後、鈴木事務局長が学習塾を営む松本市南部のマンションに横浜市から住居を移し、活動を本格化させた。
 その後、市民団体へのあいさつ回りやミニ集会を展開。松本市街地に構えた事務所にボランティアが出入りするまでになり、「市民運動的に支持が広がっている」(鈴木事務局長)という。告示日の22日には、政府の事業仕分けで注目を浴びた蓮舫行政刷新担当相を応援弁士に招き、松本駅前で街頭演説する予定だ。
 阿部氏も中信以外では支援の広がりがいま一歩-と陣営。22日には民主、社民両党県連、連合長野、県労組会議が加わる選対本部が発足する。北沢俊美防衛相や羽田孜氏後援会の支援も仰ぎ、「組織力でカバーする」考えだ。
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 「私は松本深志高の17期の卒業生。このかいわいは懐かしい」。大町市出身の腰原氏は18日、松本市内で開いた萩原清県議(自民党)の後援会幹部の会合に駆け付けた。萩原県議も「腰原氏は長野県で生まれ育ち、長野県をよく知っている人」と「地元出身」をアピール。同県議後援会は同日、腰原氏推薦を決めた。
 同氏の陣営は、11日の参院選終了後に本格始動。自民党系県議らの後援会組織を生かし、中信では松本、安曇野、大町、塩尻の各市、北安曇郡池田町、木曽郡木曽町の計6カ所に事務所を設けた。
 このうち松本事務所は、参院選県区で当選した若林健太氏(自民党)の事務所とスタッフをそのまま継承。告示後の31日に松本市内で開く決起大会を腰原氏浸透の「大きな機会」と位置付け、幹部が擁立にかかわった経済団体の中信支部、党の職域団体を通じて参加を呼び掛けている。
 松本氏より2カ月余、阿部氏より1カ月余も立候補表明が遅れ、市長を務めた大町市でさえ正式な後援会組織を発足させるのはこれから。自民党県議の一人は「ふるさとのために働く腰原氏のイメージをPRし、保守層を幅広く取り込みたい」としている。

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